反則タックル問題で日大内部から“反旗”…教職員組合が理事長と学長宛て声明文

スポーツ報知
日大のDL選手(右)が、プレーに関係ないところで関学大のクオーターバックに背後からタックル、QBは負傷退場(関西学院大アメリカンフットボール部提供、一部加工)

 日大アメリカンフットボール選手による悪質タックル問題で、日本大学教職員組合が21日、同大学・田中英壽理事長と大塚吉兵衛学長へ宛てた声明文を発表した。

 声明文では「その行為のみならず、本学の示した事後対応が不透明・不誠実であるとの批判・非難の声が強まったのは周知の事実である。本学が教育機関であることを踏まえれば、上述した外部からの批判・非難の有無にかかわらず、本学の選手がなぜあのような悪質極まりない言語道断な暴力的行為におよんでしまったのかに関しては、第三者機関による調査活動とは別に、大学当局が自浄作用を働かせて公正かつ厳正な調査を実施して、真相を徹底的に究明しなければならない」と強く指摘。「被害者や関学アメフト部をはじめとする関係者の方々に納得していただくことができる説明と謝罪、ならびに補償と再発防止に向けた具体的な取り組みが示されなければならないことも当然である」とした上で、遅すぎる謝罪であったことも指摘した。

 また「内田監督が本学の人事担当の常務理事という要職に就き、学内で絶大な権力を行使する立場にあることから、一スポーツ部の一監督や一選手のあり方ばかりか、本学の大学としてのあり方、なかんずく外部の関係者に対する「姿勢」(不誠実と呼ばざるを得ない対応)や「体質」(有無を言わせずに従わせる上意下達の体育会的気風)や「社会構造」(学内の意思決定のあり方、権力構造や人的資源の配分構造)にまで関連させて問題視する指摘が各方面から相次いでなされるようにもなってしまった」とすると「今回の事件は、こうした本学の抱える看過できない問題性が、図らずも衆目にさらされることとなった」とも言い切った。

 そして『厳しい批判を真正面から受け止め真摯に反省し、人事及び人心を一新すること」など5項目を挙げ、理事長、理事会と大学学長に対して履行を強く要求。「本学に対するイメージと社会的信用は深く傷つけられてしまった。学生の勉学意欲や様々な対外活動、学部生・大学院生等の就職活動、教職員の士気、さらには受験生の本学に対する見方や教職員の採用に至るまで深刻な悪影響が懸念される。ひいては、このことが本学の教育を誠実に支えてきた教職員の労働環境悪化にもつながりかねないことを危惧するものである」と迅速かつ真摯な大学としての対応を求めている。

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