箱根5区区間賞の法大・青木と大ブレーキの神奈川大・荻野が3000メートル障害それぞれ優勝

スポーツ報知
男子1部3000メートル障害優勝の法大・青木(左)と男子2部の同種目を制した神奈川大・荻野。今年の箱根駅伝5区で明暗を分けた2人が健闘をたたえ合った

◆陸上関東学生対校選手権第3日(26日、神奈川・相模原ギオンスタジアム)

 男子1部3000メートル障害は、今年の箱根駅伝5区で区間賞を獲得した法大の青木涼真(3年)が8分42秒11で連覇を飾った。2000メートル手前で東洋大の小室翼(3年)、東海大の三上嵩斗(4年)、同・阪口竜平(3年)から遅れを取ったが、終盤に大逆転。「引き離された後、単独走になって障害を飛び越えやすくなり、リズムを取り戻した。ラストはきつかったけど、緩めずに走り切った」と冷静にレースを振り返った。

 青木は今年の箱根駅伝5区を1時間11分44秒で走破し、法大の6位に大きく貢献した。「3000メートル障害と箱根駅伝5区は、きつくなった時、どう体を動かすか、ということでは相関性があると思います。3000メートル障害は8分35秒が目標。箱根駅伝5区では1時間10分を切って歴代の山の神の皆さんに名を連ねたい」ときっぱりと話した。

 法大の坪田智夫監督(40)は後任の1万メートル自己ベストが29分30秒の青木に対し「昨年の今頃とは比べものにならないくらい走力が増している。1万メートルでは28分40秒くらいの力がある」と高く評した。

 男子2部3000メートル障害は、同じく箱根駅伝5区で区間最下位の大ブレーキを喫した神奈川大の荻野太成(3年)が8分52秒27で3連覇を飾った。「きょうはタイムより勝つことだけを意識しました」と納得の表情で話した。

 荻野は初出場となった今年の箱根駅伝5区で3位の好位置でタスキを受けながら、オープン参加の関東学生連合を含めて最も遅い1時間21分12秒を要し、15位に転落。大エースの鈴木健吾(現富士通)を擁して優勝候補の一角と期待されていた神奈川大は、荻野の12人の“ごぼう抜かれ”が響き、13位に終わった。「当日(1月2日)は頭がボーッとして何も考えられなかったが、翌日になって『オレはもう終わった』と思いました。鈴木健吾さんに『荻野のせいではないよ』と慰められましたが、本当に申し訳ない気持ちでした。ショックは大きくしんどかったですが、ようやく4月になって吹っ切れました」と新春の悪夢を語った。今は気持ちは前向きだ。「日本選手権(6月)では3000メートル障害で表彰台に乗ることを目指します。駅伝では昨季の借りを倍にして返したい。もう、5区を走ることはないと思いますが」と笑顔で話した。

 神奈川大の大後栄治監督(53)は「ブレーキなんて長い競技人生の中では大したことはない。それは、卒業した4年生もみんな分かっている。荻野は走りで取り返せばいい。そのチャンスはいくらでもある」と期待を込めて話した。

 「関東インカレ」と呼ばれる今大会の男子種目は16校の1部、それ以外の2部、大学院生による3部に分けて行われる(1部の15、16位と2部の1、2位が翌年、入れ替わる)。1、2部は短距離、フィールドを含めた総合力で決まるため、青学大や駒大など長距離・駅伝をメインに強化しているチームは2部となる。今年の箱根出場20校は1部が11校、2部が9校。

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