東京五輪マラソンコース発表…川内優輝、勝負どころは「最後の上り」

スポーツ報知
川内優輝

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は31日、東京五輪のマラソンおよび競歩コースを発表した。マラソン(女子8月2日、男子8月9日)は19年11月完成予定の新国立競技場を発着点として東京の名所を巡る42・195キロ。最後の約5キロの上り坂が勝敗を分けそうだ。競歩は皇居外苑前に周回コースを設定し、50キロ競歩は2キロ×25周、20キロ競歩は1キロ×20周する。

 37キロからが勝負の“超後半型”コースが設定された。高低差約33メートルのコースのポイントはラスト約5キロの上り坂。アスリート委員会の高橋尚子委員長(46)は「序盤は下り坂なのでリズムに乗れるが、最後の上り坂まで勝負がもつれるドラマチックなコース」。03年の東京国際女子マラソンでほぼ同じコースを走ったが、終盤の上り坂で失速し2位。「知力と体力が試される」とペース配分の重要性を説いた。

 都内で行われた日本陸連理事会に出席したマラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏(61)も「(最後の坂が)勝負の分かれ目になる」。攻略法については、公務員ランナー・川内優輝(31)=埼玉県庁=を引き合いに「前半、多少離れても我慢していけば“川内方式”で逆転できる」と粘りこそ勝利への道とした。

 12年ロンドン、16年リオと五輪は2大会連続して周回コースで行われたが、1964年東京五輪と同じくメインスタジアム発着とする原点回帰を目指し、室伏広治スポーツ局長(43)も「史上最高の五輪コースになる」と自信をみせた。

 MGC出場権を持ちながら、参戦を表明していない川内はコースについて「最後の上りが勝負どころ。耐久レース、より過酷さを求めたのだと思う」とコメントした。世界各地のレースを経験した男も“ラスト勝負”と予想。「名所を巡って都市も発信できる。走る方は大変だけど」と感想を述べた。

スポーツ

×