貴乃花親方、公式行事最前列出席で“改心”見せた…28日臨時理事会処分軽減狙いか

スポーツ報知
暴力問題再発防止研修会に参加した貴乃花親方(右から2人目)と尾車親方

 元横綱・日馬富士関(33)の暴行問題を受けて、日本相撲協会は21日、東京・両国国技館で全協会員を対象にした再発防止の研修会を開催した。今年4月の研修会には弟子とともに欠席した貴乃花親方(元横綱、45)も参加。同親方は弟子で被害を受けた幕内・貴ノ岩(27)の聴取を20日までに許可し、人材育成契約を結ぶ誓約書を協会に提出するなど態度を軟化させており、この日も“従順”な姿勢を貫いた。

 突然の“改心”に偽りはなかった。午後1時から始まった研修会。貴乃花親方は理事が並ぶ最前列の席に深々と腰掛けた。評議員会の池坊保子議長が「多くの人が不幸になる。大切な教訓として前に進んでほしい」と暴力問題の再発防止を訴えた話を静かに聞いた。

 4月には部屋全体で欠席した協会の公式行事。十両・貴源治ら貴乃花部屋の力士は、他の部屋の力士の行列にまじって国技館に姿を現した。師匠は20日の臨時理事会で正面に座り“対決”した八角理事長(元横綱・北勝海)の「何げない気持ちでやった暴力が、組織を揺るがすようなハメになってしまう」という指摘にもおとなしく耳を傾けた。突然の“歩み寄り”は不可解にも映るが、水面下でも動きがあった。

 貴乃花親方は20日までに協会へ誓約書を提出した。14年1月の公益財団法人移行後に「人材育成業務委託契約」が義務づけられていながら、45ある部屋で唯一結んでいなかった。一方で力士の養成費や肖像権の管理、健康保険などは協会から受けていた。状況を改善したのは「(28日の)臨時理事会で下される処分を軽くしてほしいのでは」と語る関係者もいる。被害者の貴ノ岩への危機管理委員会の聴取は19日に終了。関係者によると貴ノ岩は現在、体重が約10キロも落ち、医療用ホチキスで縫われた頭部の傷は治ったという。

 協会関係者によると、貴乃花親方は20日の臨時理事会で自身の行動の正当性などを記した10ページ以上の書面を提示。終了後に回収されたが、理事会メンバーは「弁明書のようなもの」と明かした。同親方は28日の臨時理事会までに危機管理委の聴取に応じることで合意。高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)は「本人の弁明がなければ処分は下せない」という原則にのっとり、処分内容の根拠を求める構えだ。横綱審議委員会からは「言動は非難に値する」(北村正任委員長)と批判されており、厳罰は避けられそうにない。

 鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)はこの日、「高野先生がやる。私も時間があり何かあれば準備する」と語った。高野委員長は「要請はしている。そのうちあるんじゃない? 日にちは決まってない」としたが、早ければ22日にも貴乃花親方の聴取が実現する可能性がある。

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