引退の北太樹、北の湖さんに感謝「先代の教えがあったので35歳までやれた」

スポーツ報知
引退会見を行い花束を贈られた北太樹

 大相撲初場所前に引退した元幕内・北太樹の小野川親方(35)=山響=が15日、両国国技館内の記者クラブで引退会見を行った。

 北太樹は2015年11月に亡くなった北の湖前理事長(享年62)が師匠を務めていた部屋で最後の幕内力士。「先代は基本を大事にされる方で特に四股は厳しく指導されました。定年されるまで頑張ろうと思っていたので当時は悲しい気持ちでいっぱいでした。ただ先代の教えがあったので35歳までやれたのだと思います」と振り返った。

 引退の理由は以前から痛めていた股関節の負傷。「ここ何年か治療を繰り返していて少しずつ悪くなってきた。万全の状態で相撲をとれず、体力の限界を感じて決断しました」と明かした。

 思い出の一番は先代が亡くなった15年九州場所千秋楽の一番。残り2日間で連勝すれば勝ち越せたが、14日目に敗れて負け越し。「何とも言えない心境が印象に残っています。最後の相撲は勝ちたかった」と意地で挙げた白星を振り返った。

 相撲経験がなく15歳で入門。一日1000回の腕立て伏せなどストイックに稽古を積み重ねて、9年半かかって十両に昇進した苦労人。「相撲人生は充実していた。悔いは一切ない。やりきりました」とすがすがしい表情で振り返っていた。

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