大鵬孫・納谷、おじいちゃん一番出世です!…朝青龍の甥に勝って3連勝

スポーツ報知
豊昇龍(手前)にすくい投げで勝利した納谷(カメラ・中島 傑)

◆大相撲初場所5日目 ○納谷(すくい投げ)豊昇龍●(18日・両国国技館)

 新弟子による前相撲の3日目が行われ、昭和の大横綱・大鵬(故人)の孫で元関脇・貴闘力(50)の三男・納谷(17)=本名・納谷幸之介、大嶽=が、元横綱・朝青龍(37)の甥・豊昇龍(18)=本名スガラクチャー・ビャンバスレン、立浪=を豪快に投げ飛ばして無傷の3連勝。新序出世へ一番乗りを果たし、祖父の命日となる19日に墓前に報告する考えを明かした。新序出世披露は中日の21日に行われ、納谷は偉大なる祖父の化粧まわしを身につける。幕内の優勝争いでは横綱・鶴竜、関脇・御嶽海、平幕の栃ノ心、朝乃山の4人が5戦全勝。

 これが前相撲なのか。いつもは静寂の中で繰り広げられる土俵がヒートアップ。大鵬の孫と朝青龍の甥の偉大なるDNA対決は異様な雰囲気に包まれた。

 立ち合いは納谷が前に出て、豊昇龍が叔父譲りの首投げで対抗した。最後は納谷のすくい投げに軍配が上がったが、前相撲とは思えない激しい相撲だった。「気合が入っていました。(得意の)突き相撲ではなかったけど、相手も動いてくるので(あれで)良かった」と納谷は冷静に振り返った。

 高校時代から仲が良く2日目までは支度部屋で世間話をしていたが、対戦が予想された3日目は「当たりそうだと思ったので、朝から何も話さなかった」(納谷)と戦闘モード。過去の対戦は高校2年の時に1度だけある。関東選抜大会(茨城・土浦)の決勝で対戦。納谷が勝って優勝している。「あの時のことは覚えていませんが、自分も力をつけているので自信を持っていきました」と振り返ったが、ライバルの存在は脅威であることは事実。「来場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)も当たると思うので、次も負けないようにしたい」と引き締めていた。

 「番付に名前が載ることは、やっとお相撲さんになれたということ。これからが本番なので、しっかり(調子を)上げていきたい」。19日は偉大なる祖父の命日。納谷は「お墓参りに行くと思います」。江東区の妙久寺に眠る祖父の墓前に手を合わせ、新序出世の報告をするつもりだ。21日に新序出世披露が行われ、祖父の化粧まわしを身につける。(今関 達巳)

 ◆新序出世 前相撲を取った新弟子は「新序」となり、翌場所からしこ名が序ノ口の番付に載る。序ノ口の資格を得ることを「出世」と言う。勝ち抜けは2勝で、5日目までに2勝すれば「一番出世」。9日目までに2勝なら「二番出世」、それ以外は「三番出世」となり12日目に披露が行われる。大鵬は三番出世だった。本場所中日に親方や兄弟子の化粧まわしを借りて土俵上で新序出世披露として紹介される。

 父親の貴闘力さんは「前相撲で勝ち星を重ねることができ、うれしく思います。これからも、もっと精進して、おごることなく感謝の気持ちをもって稽古に励んでほしいと思っています。たくさんの相撲ファンの方々に愛される力士になってほしいと願っております」とコメントした。

スポーツ

×