栃ノ心、自炊パワーで1敗対決制す…家族は母国ジョージアに

スポーツ報知
1敗を守った栃ノ心は雪の中、歩いて国技館を後にした(カメラ・堺 恒志)

◆大相撲初場所9日目 ○栃ノ心(つり出し)御嶽海●(22日・両国国技館)

 軽々と両腕で164キロを持ち上げた。栃ノ心が豪快なつり出しで御嶽海との1敗対決に勝利。「気がついたら両まわしを組んでいた。(勝ち越しは)うれしい」。右四つから土俵際まで追い詰めると、最後は相手の両足を浮かせた。支度部屋でも取組リプレーを見つめ、自身2年ぶりとなる決まり手の感触を確かめた。

 無敗の鶴竜を1差で追走する。パワーの源は自炊にある。現在、昨年11月に誕生した長女・アナスタシアちゃんと妻・ニノさんは母国・ジョージアにいる。離ればなれの生活はさみしいが、プロ級の腕前でスパイシーな故郷の肉料理などを食卓に並べて心を癒やす。包丁も6本所持。「肉のハナマサ」で一度に2万円分の食材を買い込み、付け人に振る舞うこともある。

 08年夏場所で新入幕も、その後の右膝負傷で一時は番付を幕下55枚目まで落とした。そこからのV字回復。好調ぶりに八角理事長(元横綱・北勝海)は「今日の立ち合いをしていけば、最後(優勝争い)までいけるんじゃないか」と評価した。

 躍進の初場所後、師匠の春日野親方(元関脇・栃乃和歌)に愛する家族が待つジョージア帰国の許可を願い出るつもり。本人は「V争い? あまり考えたくない。一番一番に集中するだけ。硬くなっちゃうからね」と謙遜したが、その勢いは本物だ。(小沼 春彦)

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