大栄翔、自己最速で勝ち越し「目立って悪いか」埼玉栄後輩の貴景勝のツッコミにも悠然

スポーツ報知
大栄翔(右)は激しい突き押しを栃煌山に見舞う

◆大相撲初場所10日目 ○大栄翔(押し出し)栃煌山●(23日・両国国技館)

 2敗の前頭13枚目・大栄翔が同8枚目・栃煌山を押し出して勝ち越しを決めた。高校相撲の名門・埼玉栄高卒で24歳のホープだが、同世代の関脇・御嶽海らに比べて存在感は控えめ。そんな男が自己最速の10日目での給金相撲を達成して地味に優勝戦線に食い込んでいる。横綱・鶴竜は10勝目を挙げて、全勝と単独トップを守った。前頭3枚目・栃ノ心が1敗で追走。御嶽海は3連敗で3敗に後退した。

 大栄翔が立ち合いの気迫でV戦線に残った。強烈なもろ手突きを栃煌山に浴びせて5秒6の押し出し。2場所ぶりの勝ち越しを決めて「うまく相手を離していけた。調子は出てきたが喜び過ぎずにやっていきたい」と表情は崩さなかった。

 6連勝の7勝1敗で迎えた9日目は石浦に敗れ、この日は仕切り直し。連敗せずに勝ち切った一番を「頭から当たって(突き押しの)腕を伸ばす。昨日負けてきちっとした」と師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は評価した。

 前頭13枚目の24歳は注目度も急上昇中だ。普段は“地味キャラ”を自認するが、今場所の支度部屋では報道陣も急増中。埼玉栄高の後輩で新小結・貴景勝(貴乃花)から「たくさんの記者に囲まれるのはいつ以来?」とツッコミを入れられても「(十両優勝した)去年の初場所以来だ! 目立って悪いか」と威勢よく返した。

 関脇・御嶽海ら同世代が三役に名を連ねる現状も闘志に火をつける。昨年春場所は8連勝締めで幕内自己最多の11勝。「勝っていけばおのずと(上位に)食い込める」。全勝の横綱・鶴竜と2差の2敗で終盤戦へ。無印から優勝争いに割って入る。(小沼 春彦)

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