稀勢の里、春場所出場に慎重姿勢も「次は覚悟を決めてと思っている」進退懸ける

スポーツ報知
稀勢の里

◆大相撲初場所11日目

 左大胸筋の負傷などで初場所6日目から5場所連続休場した横綱・稀勢の里が24日、次に出場する場所では進退を懸けることを明言した。この日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で稽古を再開。仮に春場所(3月11日初日・エディオンアリーナ大阪)に出場して結果が出なければ、年6場所制となった1958年以降では最短となる在位7場所での引退となる。

 稀勢の里が覚悟を決めた。5場所連続休場を決めてから6日。早くも稽古を再開し、復活へ向けた思いを口にした。「次は覚悟を決めてと思っている。(横綱に)上がった時から(不振が続けば)常にそういう思いでやってきた」。次に出場する場所では進退を懸けることを明言した。

 初場所では、連日30番以上の稽古で仕上げたが結果が出ず。「3日目くらいから(左胸の)筋肉の伸縮が悪くなり、力が入りにくいと感じた。最後までやろうと思ったので苦渋の決断だった」。87年ぶりとなる2場所連続での3日連続金星配給。さらに、不戦敗を除けば5日目までに4敗は65年ぶりという不名誉記録を残して休場した。現状は「じっくりと体を治し、冷静にやっていく」と話し、春場所の出場には慎重な姿勢を示した。

 横綱の5場所連続休場は、年6場所制以降では2003年秋場所まで6場所連続で休んだ武蔵丸(現武蔵川親方)以来6人目。今場所前に「(進退について)猶予はある。過去に例がないこともない」と語っていた横綱審議委員会の北村正任委員長(毎日新聞名誉顧問)も、休場決定後は「場所後に皆さんの意見を聞いてからお話ししたい」と言及を避けていた。稀勢の里は2月のトーナメント大会などで土俵入りを披露する予定で、節分の豆まきにも参加する。

 横綱在位6場所中、皆勤は左上腕の負傷をおして新横綱優勝した昨年春場所だけ。「ここでは終われない気持ちだ。(初優勝と横綱昇進を決めた)1年前を思い出して、稽古を始めていく。一生懸命にやるしかない」。結果が出なければ、琴桜ら8場所で引退した横綱より短命の在位7場所に終わるリスクを背負って、復活への道を探る。

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