春日野部屋暴行問題、被害者の男性「協会は全然動かず、何も調べない状態が続いている」

スポーツ報知
春日野親方

 25日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜・前8時)で、大相撲の春日野部屋に所属していた元力士(23)が弟弟子(22)の顔を殴って傷害罪で起訴され、2016年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定していたことを特集した。

 事件は、関係者の証言などによると、弟弟子を暴行したのは13年に新弟子検査に合格し、15年名古屋場所を最後に引退した福岡市出身の元力士。14年9月5日夜、7か月前に入門したばかりの弟弟子の顔を拳で殴ったり、腹を蹴ったりした。

 番組では暴行を受けた元力士の矢作嵐さん(22)を独占インタビュー。暴行について矢作さんは「1歳年上の兄弟子から夜10時半から11時の間に掃除の話があると言われて、オレ以下の下っ端を集めてくれといわれた」と明かし、その後、布団に入って寝ようとした時に「左のあごを殴られた。グーパンチで」と明かし、左右の顔面を3発殴打され「手で止めたら膝蹴り5発食らいました。腹に」と証言した。殴打された後に「あごを触ったらずれていたのが分かった。骨が刺さっていた。右のあごがひどかったです」などと振り返っていた。

 その後、矢作さんは「2日後ぐらいにタクシーで部屋から逃げ出した」とし、春日野親方には「それで発覚した」という。番組の取材に矢作さんの父親も取材に応じ「部屋から抜け出して家に帰ってきた。こんな顔になっていた」と顔が変形していたことに驚いたことを証言し「少ししてから春日野から電話が来て謝りをいれてきた」と親方から連絡があったという。その時、親方は「1日、2日実家に泊めて、部屋に戻してください。病院にもいかせます」と伝え、矢作さんも電話に出て「辞めますと言ったんですけど、いいから戻って来いと」と言われ、部屋に戻ったという。

 部屋に戻ると親方から兄弟子も「整体に行くからお前も一緒に行ってこい。なんで整体と思ったんですけど、折れているのにガンと入れられた。その影響でもっと痛みがでた」と振り返った。矢作さんは、そこで「自分で大学病院に行き、すぐに手術が必要と言われた。診察して口を開けた瞬間に『これ入院だね』と言われた」と明かした。

 現在も痛みが「奥歯にはあります。普段から。ちょっと歯を動かすだけでその振動で痛い」と告白し、番組に診断書を公開。味覚障害と診断されており、殴打以降「口の中の全域で味がしなくなった。食べ物も全然味しないです。物体が胃に入るだけ。完全には治りませんと言われました。死ぬまでですね」と証言していた。

 今回、共同通信の報道まで事件は発覚しなかった。相撲協会は公表しなかったが、こうした協会の対応について矢作さんは「事実です。公表されていないです。協会側は全然動かず何も調べない状態がずっと続いている。沈黙の3年間。春日野部屋からボクを消してこの事件がなかったものにしようとしている。ボクはそう捉えています」と憤っていた。

 春日野親方は共同通信の取材に公表しなかったことに「辞めた力士だから」と答えたが、矢作さんは「辞める辞めなくても春日野部屋にいた子供なんでそれを公表しないのはおかしい」と疑問を投げかけ、「相撲界から暴力は消えない。ボクの同期生もやられていたって子がほとんどいる。こういう不祥事はボク以外にも色々あると思う」などと相撲界の暴力体質に警鐘を鳴らしていた。

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