初代栃東・志賀駿男さん、46年前の自分と同じ「復活した姿」優勝の栃ノ心を祝福

スポーツ報知
72年初場所、平幕優勝を飾り賜杯を受け取る初代栃東

◆大相撲初場所14日目 ○栃ノ心(寄り切り)松鳳山●(27日・両国国技館)

 前頭3枚目・栃ノ心(30)が初優勝を飾り、春日野部屋に46年ぶりに天皇賜杯が戻ってくることになった。46年前に優勝した春日野部屋の初代栃東(先代玉ノ井親方)・志賀駿男さん(73)が27日、スポーツ報知に快挙を祝福するコメントを寄せた。

 まずは、おめでとう。右膝を大けがして幕下まで落ちて、そこからはい上がっての初優勝というのもうれしいね。春日野部屋の伝統は「気迫」と「不屈」。何事も絶対に諦めるなという、この2点だ。栃若時代で盛り上げた師匠(元横綱・栃錦)から、ずっと教え込まれてきた。私にも入門時から知っている春日野親方(元関脇・栃乃和歌)にも染み込んでいるはず。だから、栃ノ心の精神も折れなかったのだろう。

 今場所の相撲には前へ出ていく力強さを感じた。右膝の状態もいいのだろう。春日野部屋から優勝力士が46年も遠ざかっていたなんてね。私も当時(72年初場所)は平幕まで番付を落としていた。(70年春場所で)関脇になってすぐにB型肝炎になってね。体重が112キロから90キロまで減った。両膝も痛めた。疲れも抜けなくなり、何度も「相撲をやめよう、やめよう」と考えていた。それでも私を優勝まで支えてくれたのが、名門部屋で心に刷り込まれた「不屈」の教えだったと思うよ。

 復活した栃ノ心の姿が重なるね。その姿勢がうれしいよ。これが春日野部屋の力士像。先代の親方たちも大喜びしていると思う。(優勝の)オープンカーに乗ってファンの大歓声を大いに味わってもらいたいね。(談)

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