貴乃花親方、理事落選危機 候補者一本化できず貴乃花派と阿武松派に“分裂”

スポーツ報知
理事復帰に向けての一門調整が難航し、暗雲が垂れ込める貴乃花親方

 2月2日に行われる日本相撲協会の理事選で、貴乃花親方(45)=元横綱=が落選危機に陥っていることが28日までに分かった。出馬の意思を固める一方で、一門内には阿武松(おうのまつ)親方(元関脇・益荒雄)を推す意見もあり分裂状態。近日中に緊急一門会を招集する意向だが2人を擁立する可能性が高いため、5期連続で選挙となり、票集めに苦戦している貴乃花親方は当確ラインに届かない状況。同親方は今月4日に理事解任処分を受けたが、復帰の道は残されていた。

 貴乃花親方が理事復活に向けて、窮地に追い込まれた。一門の親方衆8人に、昨年12月に時津風一門から錣山親方(元関脇・寺尾)ら3人が離脱して合流。計11人となった一派では理事選に出馬する候補者を一本化できず、各親方が貴乃花派と阿武松派に分かれているという。

 関係者の話を総合すると、貴乃花派は貴乃花親方に加えて常盤山親方(元関脇・舛田山)ら5人。阿武松派は阿武松親方と不知火親方(元小結・若荒雄)、大嶽親方(元十両・大竜)に無所属の3人が加わり、貴乃花親方が名跡を提供した音羽山親方(元幕内・大道)を除いても、6人と1票差で阿武松派が上回っているという。

 現時点で貴乃花一門以外は擁立候補を決定済みで9人。「うちの一門から4人は当選できない」とした出羽海一門の山響親方(元幕内・巌雄)は一門内からの4票に加え、他の一門から最低3票の協力を固め、7票以上の得票のめどが立ち出馬を決断したとみられる。立候補締め切りは2月1日だが、貴乃花一門が分裂する形で2人を擁立すれば、出馬は11人となり選挙となる。「票集めに苦戦している」(関係者)の言葉通り、貴乃花親方の持ち票は候補中最も少ない5票。投票で他の一門からの造反者が出なければ、落選は確定的だ。

 初場所中に、2回行われた一門の会合は紛糾し、候補者の一本化に至らなかった。総帥である貴乃花親方の求心力が低下し、主導権は阿武松親方に移っているとの声もある。分裂を防ぐにはいずれかの候補が身を引く必要があるため、「連絡が来れば会合をする。いつやるかは未定」(出席者)としていた会合が近日中に招集されるという。その席で貴乃花親方は強行出馬か、立候補辞退を迫られることになりそうだ。

 ◆理事選 2年任期の日本相撲協会理事(定員10人)を選任する。今回は2月1日に立候補者の届け出が行われ、定員を上回る立候補者が出馬した場合は、同2日に投開票される。理事選は前回まで4期連続で投票に持ち込まれている。

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