貴乃花親方、2・2理事選出る 劣勢も他一門の票切り崩す

スポーツ報知
会合を終え、報道陣に囲まれながら笑顔を見せる貴乃花親方(カメラ・清水 武)

 大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=が、2月2日に行われる日本相撲協会の理事候補選挙(理事選)に出馬することが30日、分かった。この日、都内で開催された貴乃花一門の会合で、同一門からは貴乃花親方と阿武松(おうのまつ)親方(56)=元関脇・益荒雄=の擁立を確認。定数10人に対して11人が出馬し、5期連続で理事選が行われる。貴乃花親方は持ち票数で最少と落選の危機にあるが、他の一門からの協力を取りつければ逆転当選となる。

 劣勢でも貴乃花親方は理事選に出る。この日の会合後に協会関係者は、「(貴乃花親方は理事選に)出るよ。貴乃花一門からは阿武松さんと2人が出る」と出馬を認めた。2月1日の立候補締め切りまで2日。6つある一門の中で最後まで擁立する理事候補が決まらなかった貴乃花一門の方向性が定まった。阿武松親方は初の立候補となる。

 親方8人を擁する貴乃花一門には、昨年12月に時津風一門を離脱し無所属となった錣山親方(元関脇・寺尾)ら3人が合流。当初は貴乃花親方への支持者が増えたと思われたが、実は阿武松親方を担ぎ出す動きだった。初場所中に行われた2回の会合では候補者を一本化できなかったものの、3回目で2人の擁立が確定。「もう集まることはない」と“棲(す)み分け”が終了したようだ。

 貴乃花親方の出馬を認めた協会関係者は、決裂ではなく「丸く収まったよ」と力説した。合計11人の一派は貴乃花派と阿武松派の態度を明らかにしたもよう。決していがみ合うものではなくあくまで方向性の違いで、会合後も阿武松派の錣山親方が貴乃花親方を笑顔で見送っていた。

 ただ理事選となれば話は別だ。一門内の支持者は貴乃花親方が5票で阿武松親方が6票。他の一門の理事候補で最も持ち票が少ないとされるのが出羽海一門から出馬する山響親方(元幕内・巌雄)の7票だ。現状で貴乃花親方は落選危機にあるが「結論はまだ。あと3日ある」(錣山親方)と、投票日までに他の一門からの協力があれば逆転当選もあり得る。

 貴乃花親方は2010年から4期連続で理事を務めてきたが、元横綱・日馬富士関の暴行問題に絡み、報告義務を怠るなどして4日に初の理事解任処分を受け、役員待遇委員に降格した。2月2日までの短期間で、どこまで票の上積みが可能なのか―。選挙戦は終盤に来て激しさを増してきた。

 ◆理事選 2年任期の日本相撲協会理事(定員10人)を選任する。今回は2月1日に立候補者の届け出が行われ、定員を上回る立候補者が出馬した場合は、同2日に投開票される。理事選は前回まで4期連続で投票に持ち込まれている。

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