10年の「貴の乱」は成功 求心力は健在か

スポーツ報知
関係者にガードされるように会合場所に入る貴乃花親方

 大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=が、2月2日に行われる日本相撲協会の理事候補選挙(理事選)に出馬することが30日、分かった。この日、都内で開催された貴乃花一門の会合で、同一門からは貴乃花親方と阿武松(おうのまつ)親方(56)=元関脇・益荒雄=の擁立を確認。定数10人に対して11人が出馬し、5期連続で理事選が行われる。貴乃花親方は持ち票数で最少と落選の危機にあるが、他の一門からの協力を取りつければ逆転当選となる。

 貴乃花親方は“負け戦”の可能性が高いにもかかわらず出馬の道を貫いた。元日馬富士関の暴行問題で同じく理事の座を離れた伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は「この状況で出ちゃダメでしょ」と元弟子の不祥事の道義的責任を取って出馬を見送った。貴乃花親方も被害者・貴ノ岩の師匠とはいえ理事を解任された身。たとえ理事に復帰できても、3月末の評議員会で承認されない可能性もある。

 それでも立候補するのは他の一門からの協力を取りつける自信があるからだろう。同様のことは理事に初当選した2010年にも起きた。投票前は7票で当選ラインに届かないと思われていたが、伊勢ケ浜一門に所属していた安治川親方(当時、元幕内・光法)らが所属する一門に造反して協力。所属していた二所ノ関一門を破門されてまで貫いた改革への志に協力者が出て「貴の乱」は成功した。その求心力が健在かどうかは、選挙の結果によって明らかになる。(相撲担当キャップ・網野 大一郎)

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