“貴の乱”が本に、協会内の対立構図や“黒幕”の存在なども詳細に記述

スポーツ報知
22日発売の『貴の乱 日馬富士暴行事件の真相と日本相撲協会の「権力闘争」』(宝島社提供)

 日本相撲協会と貴乃花親方の“対立”の真相に迫ったノンフィクション『貴の乱 日馬富士暴行事件の真相と日本相撲協会の「権力闘争」』(1380円+税)が22日、宝島社から発売される。

 昨年11月に発覚した元横綱・日馬富士関の暴行事件以降、対立が表面化した相撲協会執行部と貴乃花親方。暴行被害を受けた弟子の貴ノ岩の師匠でもある同親方が、暴力根絶と角界改革を掲げて相撲協会に対抗してきたという対立構造を、スクープによって覆す内容になっている。2015年12月、北の湖前理事長が急逝した後の理事会で繰り広げられた、貴乃花親方派と八角理事長派の激しい口論を収録。さらに当時の相撲協会を操っていたとされる、“黒幕”の存在なども詳細に記されている。

 宝島社は「貴の乱」の刊行に至った経緯について、「月刊誌『宝島』編集部で5年前より角界の権力闘争について取材していたものを、日馬富士暴行事件後、最新の動き(理事選など)とあわせて1冊にまとめたもの」とした。直近の理事選まで5年の歳月を費やしたという。

 「モンゴル互助会」と揶揄(やゆ)され、暴行事件が起きた昨年10月25日夜の「鳥取の惨劇」。原田久仁信氏による劇画で、日馬富士による貴ノ岩への暴行もビジュアル化されている。事件が起きる前は表面化しなかった協会内の対立構図を、「裏金顧問」と称される人物を絡めて記述された部分は衝撃的なものでもある。

 宝島社編集部は、「日馬富士の暴行事件、引退というひとつの事象は、長年にわたる協会内部の権力闘争という大きな流れの線上にあるということを示すことができたと思っている」と力説する。暴行問題に端を発した一連の不祥事は、協会上層部の対立が温床となっていたが、「改革派の貴乃花に対し、守旧派の相撲協会という構図が必ずしも正しいとはいえない」(同社編集部)としている。

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