八角理事長、貴乃花親方の告発状提出から一夜「話聞かれても問題ない」

スポーツ報知
土俵祭りに出席した八角理事長(左は鏡山親方、左奥は鶴竜)

 大相撲の貴乃花親方(45、元横綱)が、弟子の十両・貴ノ岩が暴行被害を受けた問題に絡む日本相撲協会の対応に問題があったとして、内閣府の公益認定等委員会に告発状を提出したと公表したことについて、相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は10日、「公明正大にやっている」と協会の正当性を強調した。貴乃花親方も取材に応じ「現在進行形ですよ。それだけです」と話した。またこの日、初場所で6年ぶりの平幕優勝を果たし、関脇に復帰した栃ノ心(30)=春日野=らが恒例の土俵祭りに出席。エディオンアリーナ大阪で開催される春場所は11日に初日を迎える。

 貴乃花親方の告発に、八角理事長が反論した。同親方は元日馬富士関による貴ノ岩への暴行問題に絡む協会の対応を問題視し、内閣府に告発状を提出したことを9日に公表。10日午前にエディオンアリーナで取材に応じた時点では告発状の内容確認ができなかった同理事長は、「まだ何とも聞いていない。何とも言えない」としたが、協会の正当性は自信を持って主張した。

 告発状では内閣府による協会への立ち入り検査などを求めたとされる。それについて同理事長は「協会としては、いつ(内閣府に)話を聞かれに来ようが、しっかりしている。問題ない」と断言。さらに報道陣から離れる際は「公明正大にやっている」と言い切った。

 貴乃花親方は、協会の危機管理委員会による事件の調査や自らの理事解任について「公正中立な内容とは到底評価できない」と、9日に更新した部屋の公式サイトで批判。だが相撲協会は、一連の問題収束を図る過程で監督官庁の内閣府と連絡を重ね、了承を得た上で理事会で発表するという組織運営の手続きを踏んできており、理事長はこれを根拠に「公明正大」という表現を用いたとみられる。

 協会員として最も重要視すべき本場所直前という、角界の結び付きや慣例を軽視するようなタイミングでの告発。貴乃花一門のある親方は「事前に全く何も聞いていなかった。ただただ仰天だ」と動揺を隠せない。また、貴乃花親方の行動について「自身が相撲の新団体を設立して、公益の認可を受ければいいのでは」と疑問視する複数の親方の声も上がっている。

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