大鵬の孫・納谷、朝青龍甥に3連勝…巨体駆使し勝ち越し王手

スポーツ報知
ライバルの豊昇龍(左)を寄り倒しで破った納谷(カメラ・渡辺 了文)

◆大相撲春場所5日日 ▽序ノ口 ○納谷(寄り倒し)豊昇龍●(15日・エディオンアリーナ大阪)

 序ノ口で昭和の大横綱・大鵬(故人)の孫の納谷(18)=大嶽=が、元横綱・朝青龍(37)の甥(おい)の豊昇龍(18)=立浪=を寄り倒しで破り、今場所初めて番付にしこ名が載った注目の対決を制した。高校時代の対戦も含めて宿敵に3連勝とした納谷は無敗で勝ち越しに王手。幕内では横綱・鶴竜が取り直しの末に前頭2枚目・宝富士を下し5連勝。前頭4枚目・松鳳山、同6枚目・魁聖とともに全勝を守った。

 冷静と激情が交錯。豊昇龍が先に懐に入ったが、納谷は右上手を引くと188センチ、170キロの大きな体を生かして前進し、勝負をつけた。「しっかり前に出られました。内容も良かったです」と笑顔。いつもより20分早く支度部屋に入り、決戦に備えた。

 「負けたくない相手だった。絶対に勝つという気持ちでした。稽古でも(豊昇龍が)自分以上にやっていると思ったら、自分もそれ以上にやらないといけないと思っています」。ともに18歳、2連勝同士の対戦を制し、勝ち越しに王手をかけても「自己採点は50点です。自分は突き押し相撲なので」と反省も忘れなかった。

 豊昇龍は鬼の形相で支度部屋に引き揚げ、さがりを思い切りたたきつけて悔しがった。叔父・朝青龍を彷彿(ほうふつ)とさせる激情ぶりに周囲もあ然。「悔しいです。(納谷は)柔らかいですね。絶対に負けないと思っていました」と唇をかんだ。

 これで高校時代、先場所の前相撲に続いて3戦全敗。叔父は99年の春場所、6勝1敗で序ノ口優勝を逃した。納谷は叔父を超える壁でもあったが、はね返されてしまった。「今度は絶対に勝つから」。負けん気の強さも叔父譲りだ。(今関 達巳)

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