横審、稀勢の里7場所休場OK 貴ノ花に並ぶワーストも「しっかり体を治して」

スポーツ報知
稀勢の里

 大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会合が26日、両国国技館で行われた。春場所を全休した横綱・稀勢の里(31)=田子ノ浦=に関して、北村正任委員長(76)は夏場所(5月13日初日・両国国技館)も休み、年6場所制(1958年)以降ワーストの7場所連続となっても容認する見解を示した。北村委員長と、この日評議員に再任された池坊保子氏(75)は、弟子の十両・貴公俊(たかよしとし、20)の暴行が発覚した貴乃花親方(元横綱)に対して、信頼回復へ周囲との協調を勧めた。

 この1年間、本場所の皆勤がなくても稀勢の里には“おとがめ”がなかった。「(夏場所を休場しても)やむを得ない。頑張れというしかない」と北村委員長。体調回復優先で夏場所を休み、貴乃花(現親方)と並ぶ7場所連続休場となっても容認する構えだ。

 横審は成績不振の横綱に対して、軽い順で「激励」「注意」「引退勧告」の勧告を行うが、北村委員長は「現段階で何か決議をまとめる必要はない。しっかり体を治して頑張ってほしい」と話した。この日出席した7人全員の一致した意見だという。岡本昭委員も「横綱は何場所休んでもいい。出ては休むから批判される。天下の横綱、堂々としていればいい」と擁護した。

 “過保護”にも映る横審の態度には、ひとつの思惑が見え隠れする。ある委員は「無理をすると短命の可能性がある」と明かした。稀勢の里は次に出場した場所で進退をかける意向を示しているが、夏場所に強行出場して結果が出なければ、年6場所制以降最短となる在位8場所での引退もあり得る。北村委員長は「鶴竜のような例もある」と進退問題を克服して復活Vを果たした春場所覇者の再現を期待した。(網野 大一郎)

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