理事会が貴乃花親方を処分、階級一番下の年寄に降格

スポーツ報知
部屋を出る貴乃花親方

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を行った。春場所中の支度部屋で付け人を暴行した十両・貴公俊(貴乃花)は1場所の出場停止。師匠・貴乃花親方(元横綱)は、弟子の監督責任や場所中の無断欠勤などを問われて委員から年寄へと7階級で一番下の「降格」に決まった。

 28日には、親方衆が大阪市内で臨時年寄総会を開き、春場所直前に内閣府へ告発状を提出した経緯など一連の行動への説明を貴乃花親方に求め、同親方は「かたくなな姿勢をとってしまった。協会に多大なご迷惑をおかけした。これから微力ながら協会の一員としてやっていかなければならない」との釈明と謝罪を繰り返していた。

 貴乃花親方は、昨年秋の巡業中に起きた元横綱・日馬富士関の暴行問題を巡って、当時の巡業部長として協会への報告を怠るなどして今年1月4日に史上初めて理事を解任され、役員待遇委員に2階級降格。さらに2月の理事候補選挙に出馬して落選したことで、慣例により、さらに委員へと降格。28日の理事会では委員として「審判部・指導普及部」の職務担当を任命されたばかりだった。

 協会と対立姿勢を貫いてきた貴乃花親方だったが、春場所の弟子・貴公俊の暴行問題発覚後は「一兵卒として、ゼロからスタートします」と繰り返して頭を下げた。

 文字通りの平年寄から一兵卒としての再スタートとなる。親方衆のなかには契約解除を求める厳しい意見も出されたが最悪の事態は回避した。だが、ある親方は「今後の真摯(しんし)な行動も注視していかないといけない」と話すなど一連の協会に対する不信感は完全にぬぐえてはいない。平成の大横綱の再スタートに注目が集まる。

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