白鵬、父の葬儀参列で巡業離脱し一時帰国へ 気丈に振る舞い横綱としての義務果たす

スポーツ報知
白鵬(中)は父を亡くしながらも気丈に土俵入りを務める

 9日に父のジジド・ムンフバトさんを76歳で亡くした大相撲の横綱・白鵬(33)=宮城野=が10日、長野・伊那市後に巡業を一時離脱し、13日の葬儀参列のためにモンゴルに帰国することになった。11日に離日して14日に再来日。15日の高崎巡業から復帰する。

 この日は通常通りに朝稽古から参加。横綱土俵入り、取組を務めた。「自分の与えられた仕事を全うする。そういう気持ちで土俵に上がりました」と突然の訃報にも気丈に振る舞い横綱としての義務を果たした。

 白鵬によるとムンフバトさんは昨年10月に肝臓がんがみつかり、昨年11月の九州場所後に来日して今年1月まで滞在して治療を受けていたという。「この1週間で急に弱って、昨日旅立ちました」と沈痛な面持ち。母タミルさんからは「いい親孝行をしてくれた」と感謝されたという。

 ムンフバトさんはモンゴル相撲で6回優勝した国民的英雄。五輪にも1964年の東京大会から出場し、68年のメキシコ大会では87キロ級で銀メダルに輝き、同国初のメダリストとなった。その偉業は白鵬自身も心の支えとなっており、この日も「自分の父だけどモンゴルの相撲を愛する人の中で、世界のレスリングを愛する人の中では師匠であり先生。憧れの存在だった。親を超える子はいないと思います」と語った。

 白鵬の巡業離脱は春日野巡業部長(元関脇・栃乃和歌)が八角理事長(元横綱・北勝海)ら協会幹部と相談し、巡業の勧進元(主催者)の了承を得た上で認められたもの。花籠巡業副部長(元関脇・太寿山)は、「親御さんが亡くなっているわけだから配慮しました」と臨機応変に対応したと説明。白鵬も、「明日から帰ることができてありがたい。(同じ横綱の)鶴竜関とも話して、託す形で巡業を頑張ってもらえればいい」と柔軟な対応に感謝して帰京の途に就いた。

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