竜電、「粘りのある自分の相撲を取りたい」新入幕から3場所連続勝ち越し目指す 

スポーツ報知
新入幕から3場所連続の勝ち越しに挑む竜電

 大相撲夏場所が13日、東京・両国国技館で初日を迎える。甲府市出身の東前頭7枚目・竜電(27)=高田川=は、1場所15日制が定着した1949年5月場所以降では山梨県勢として初となる、新入幕から3場所連続勝ち越しに挑む。

 苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、必死に稽古に励んだ竜電。「あとは気持ちを作って臨むだけです」と西前頭6枚目・宝富士(31)=伊勢ケ浜=との初日に向け、意気込んだ。1月の初場所では10勝を挙げ、敢闘賞も獲得。3月の春場所では、途中まで5連敗と苦しみながらも、後半から底力を見せ、8勝7敗。通算300勝も達成した。3場所連続勝ち越しへ「プレッシャーはかかりますが、前に出る、粘りのある自分の相撲を取りたい」と己のスタイルを突き通すつもりだ。

 他競技からも勝負の厳しさを学んだ。先月28日、J2ヴァンフォーレ甲府のホーム・千葉戦(中銀スタ)に招かれ、ファンとの写真撮影会やキックインセレモニーを行った。サッカーを生観戦したのは初めて。試合は、先制しながら後半ロスタイムに追いつかれ、1―1のドロー。「自分も勝ったと思ったら…。勝負は最後まで、勝ったと思ってはいけないということが勉強になりました」と振り返った。

 地元・山梨の期待も高まる中、「2桁は勝ちたい」としつつ、「(ファンに)喜んでもらえる相撲を取りたい」。これまでの2場所で得た、「いつも通りの攻める相撲を全面的に出せれば勝っていけます」という自信とともに、偉大な記録を達成させる。(古川 浩司)

 ◆竜電 剛至(りゅうでん・ごうし)本名・渡辺裕樹(ゆうき)。1990年11月10日、甲府市生まれ。27歳。高田川部屋。竜王中卒業と同時に入門。2006年春、初土俵。12年九州で新十両も、右股関節を負傷。その後も度重なる故障で一時は序ノ口まで番付を落としたが、18年初に新入幕。189センチ、150キロ。得意はもろ差し、寄り。しこ名の由来は、母校の竜王中と、江戸時代の伝説の力士「雷電」から。

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