栃ノ心伝達式に先代師匠の元横綱・栃ノ海が駆けつけ「辛抱して良く育てた」

スポーツ報知
栃ノ心の大関昇進伝達式に駆けつけた先代・春日野親方の元横綱・栃ノ海

 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月8日初日・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・栃ノ心(30)=春日野=の大関昇進を満場一致で決定した。東京・墨田区の春日野部屋での伝達式で新大関は「親方の教えを守り」の一節を口上に込めて感謝の思いを表現した。

 先代師匠で、56年前に栃光と同時大関昇進を果たした元横綱・栃ノ海の花田茂広氏(80)も駆けつけた。「テレビで他の部屋の昇進は見ていたけどやっと来てくれた。今の師匠は辛抱してよく育てた」と現在最長の83年連続で関取輩出を続ける名門への吉報を喜んだ。

 伝達式には56年前と同じ床柱と相撲の始祖とされる「野見宿禰(のみのすくね)」を描いた掛け軸も。江戸後期の日本画家・谷文晁(ぶんちょう)によるもので、先々代師匠(元横綱・栃錦)時代の90年まで本場所中は床の間に掛けられていた。文化的価値が高く、今は相撲博物館に預けられているが晴れ舞台に合わせて“里帰り”した。

 ◆56年前の同時昇進 春日野部屋からの大関誕生は1962年5月23日の西関脇・栃ノ海、西張出関脇・栃光の同時昇進以来となった。同日午前9時8分に昇進を知らせる電話が鳴り、同17分に日本相撲協会の白玉理事、甲山検査役が部屋に到着。栃光は緊張のあまり「謹んでお受けします」の言葉が言えず口をもぐもぐさせたという。栃ノ海は66年に横綱で、栃光も同年に大関で引退した。

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