初の外国出身の高校横綱アマルサナーが新弟子検査 「チャンスを待っていた」

スポーツ報知
高田川親方(右)に慎重を計測される二子山部屋新弟子・アマルサナー

 大相撲秋場所(9日初日・両国国技館)の新弟子検査が4日、国技館内の相撲診療所で行われ、初の外国出身高校横綱(モンゴル国籍)のアマルトゥブシン・アマルサナー(19)=二子山=が体格検査(身長167センチ以上、体重67キロ以上)をパス。内臓検査の結果を待って初日に合格が発表されるが、アマルサナーの初土俵は興行ビザ取得後になるため最短で九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)となる。

 うわさ通りの逸材だった。アマルサナーがはじき出した背筋力の数値は200キロ。元横綱・朝青龍の新弟子検査時を20キロ上回った。「いい力士になりたいです。ちょっとずつ上を目指していけるところ(番付)までいきたい」。意気込みはいたって謙虚だが素材の良さは本物の雰囲気が十分すぎるほど漂っていた。

 国籍はモンゴルだが出身はモンゴルと南部で国境を接するロシア・トゥヴァ共和国。モンゴル人の父とロシア人の母の間に生まれ、14歳までロシアで生活した。その後、父の住むモンゴルに移り中2と中3で横綱・白鵬(宮城野)の主催する「白鵬杯」に出場。白鵬の勧めで鳥取城北高に進学した。相撲経験はなかったが頭角を現して昨年夏の高校総体・相撲の個人決勝で、朝青龍のおいの豊昇龍(立浪)を破って初の外国人王者に輝いた。「入るチャンスを待っていた。高校でタイトルをとれなかったら(故郷に)戻ろうと思っていた」とこの日を迎えた。

 外国人枠(各部屋1人)の関係などで高校卒業から半年間の時間が空いたが、ようやく第一歩。「これからは自分の力で上がってこい」と白鵬からは激励されたという。研修期間中は納谷(大嶽)ら高校時代にしのぎを削ったライバルの相撲を「AbemaTVで、ずっと見ていた」という。「同級生は幕下にいる。早く相撲をとりたい」。遅れてきた高校横綱の挑戦が始まった。

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