アマ横綱・黒川、兄の悔しさ晴らす初V

スポーツ報知
全日本相撲選手権で初優勝した黒川宏次朗(左)と兄の宗一郎

◆全日本相撲選手権大会(2日・両国国技館)

 社会人1年目の黒川宏次朗(23)=拓大職員=が、東洋大3年の重松龍大を押し出しで下し、初優勝を飾った。拓大2年の時にインカレを制して以来のタイトルに「(大学を)卒業して1年目。うれしいです。支えてくれた先生方、両親に感謝したいです」と笑顔を見せた。

 得意な形とは逆という右四つで寄り土俵際、最後は押し切った。この優勝で、アマチュア横綱に。さらに今年は全日本実業団選手権も制しており、大相撲の幕下10枚目格の付出資格(期間1年)を得た。しかし「このまま(アマチュア)やっていこうと思う」。現在、拓大で職務をこなしながら相撲部で稽古をする。学生の指導にも力を入れるが、その道を進む意志は強い。 

 決勝トーナメント2回戦で敗退した兄の宗一郎(26)=アイシン軽金属=は、3つ上。小1の時に相撲を始めるきっかけになった存在で、大会ではこれまで2度対戦したが一度も勝ったことがないという。そんな兄はこの大会の14年から16年の間で2位、2位、3位。3年連続で惜しくも涙をのんでいたが、弟が悲願を果たした。「二人で優勝という気持ちは、兄同様あった。うれしい」と喜ぶ弟を横に、兄も「本当によくやったと思う」とねぎらった。

 今後は後身の育成に力を注ぐつもりだ。実際に大学で指導をする身となり、相撲を一歩引いた所で見ることで自分の成長にもつながっていると実感する。「気がついたら小さい頃から指導者を目指していた。それは変わらなかった。自分は強い人を育てる方がいいな」。自分の相撲道を、これからも歩んでいく。

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