十両・炎鵬「かなりいいスタート」白鵬との稽古で「前に出ることを思い出すことができた」

スポーツ報知
明瀬山(右)を下手出し投げで下した炎鵬

◆大相撲初場所 初日 ▽十両 ○炎鵬(下手出し投げ)明瀬山●(13日・両国国技館)

 自己最高位で迎えた金沢市出身の東十両8枚目・炎鵬(24)=宮城野=が会心の相撲で白星発進だ。西同7枚目・明瀬山(33)=木瀬=を下手出し投げで下した。石川・穴水町出身の西前頭9枚目・遠藤(28)=追手風=も、東同10枚目・宝富士(31)=伊勢ケ浜=を突き落として白星スタート。一方、富山市出身で富山商高OBの西同8枚目・朝乃山(24)=高砂=、石川・七尾市出身の東同12枚目・輝(24)=高田川=は敗れ、富山・石川勢の4関取は明暗が分かれる滑り出しとなった。

 初日の十両の土俵が沸き返った。盛り上げたのは炎鵬だ。168センチ、100キロの小兵が、182センチ、187キロと巨体の明瀬山を向こうに回して堂々たる相撲を見せた。立ち合いから相手の懐に入って下から攻め続け、土俵際へ寄った。そこで勝負は決められなかったが、最後は体を開いて下手出し投げで転がした。「かなりいいスタートだと思う」と、うなずいた。

 明瀬山にはこれまで3戦全敗しており「小さい相手のさばき方がうまいし、柔らかい」と苦手にしていた相手だった。「前回(の対戦)は逃げ腰だったので、きょうは立ち合いから当たって行こうと思っていた」。前へ出続けたことが会心の白星につながった。

 場所前には部屋の先輩の横綱・白鵬(33)に稽古の相手をしてもらったことで、攻め抜く意識を取り戻した。「久しぶりにぶつかり稽古で胸を出してもらって昔を思い出した。最近は横に逃げていた。前に出ることを思い出すことができた」と、しみじみ。あらためて優勝41回の大横綱の存在に感謝した。

 取組中にはちょっとしたトラブルもあった。激しい攻防でコンタクトレンズが外れたのだ。今場所から周囲の助言で、1日使い捨て用から2週間用のものに変えたのだという。「取れづらいと聞いて変えたんですが、取れちゃいましたね。1週間くらい使っていたものだけど、もったいないですね」と話して笑わせた。

 そんなアクシデントをものともせず新年初勝利。「この一番は自信になる。今年は幕内を目指してやっていく」と先を見据えた。この勢いで白星を並べ、目標を少しでも早くかなえる。(三須 慶太)

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