貴景勝、新関脇1勝「気合入りました」大関昇進に望み…元横綱・琴桜と同じシルバーの締め込み新調

スポーツ報知
正代(右)を突き出しで下した貴景勝(カメラ・清水 武)

◆大相撲初場所 初日 ○貴景勝(突き出し)正代●(13日・両国国技館)

 昨年の九州場所で初優勝し、今場所を新関脇で迎えた貴景勝(22)=千賀ノ浦=が、東前頭3枚目・正代(27)=時津風=を突き出しで下した。かつて“猛牛”の異名をとった第53代横綱・琴桜と同じシルバーの締め込みを新調し好発進。幕内上位は3大関が総崩れとなった。

 自分のスタイルで新関脇1勝を飾った。立ち合いで鋭く当たったものの一度下げられた貴景勝は、低く体勢を立て直し、突いて突いて3度目のもろ手突きで正代を突き出した。「あんまり良くなかったけど、白星につながったのは良かった」。勝っても決して緩まない表情は、この日も凜(りん)としていた。

 幕内の取組前。優勝額除幕式で、東方面に自身の優勝額が掲げられた。九州場所で初優勝した22歳に万雷の拍手が送られた。「たくさんのお客さんが来てる中で、稽古場とは雰囲気が全然違った。今場所は緊張感もあるし、それが歓声と合わさった中で力を発揮できるかどうか。気合入りました」と動じなかった。

 今場所から紫色だった締め込みをシルバーに変えた。「琴桜さんを映像で見て、いいなと思った」。琴桜は現役時代、怒濤(どとう)の突き押しを見せた第53代横綱。「猛牛」の異名を取り幕内優勝5度を果たした。「相撲は尊敬してます」。突き押し相撲を信条とする自身の取り口は、その姿をほうふつとさせる。

 昨年11月の九州場所を13勝で制したが「三役で直近3場所33勝以上」という大関昇進目安の起点となる同9月の秋場所は9勝で、阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は今場所の大関取りに慎重。それでも双葉山以来83年ぶりの新関脇で優勝など、ハイレベルの成績を残せば昇進の機運が一気に高まってくる。

 九州では初日に稀勢の里(田子ノ浦)を破ったが白鵬(宮城野)、鶴竜(井筒)の2横綱は全休していた。今場所は3横綱がそろい、力が試される。「この相撲は忘れて、振り返らずにやっていきたい。稽古してご飯食べて、基本的なところをやっていく」。持ち前の気持ちの強さを見せつける。(大谷 翔太)

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