【尾車親方の目】貴景勝は立ち合いで下から迫れ

スポーツ報知
魁聖(手前)を送り出しで下した貴景勝(奥)

 ◆大相撲春場所6日目 ○貴景勝(送り出し)魁聖●(15日・エディオンアリーナ大阪)

 貴景勝は立ち合い、頭から魁聖の胸に当たり、左からいなして送り出した。あの巨漢が大きくバランスを崩したのだから、よほど強烈な当たりといなしだったのだろう。やはり貴景勝にはこの相撲しかない。

 序盤で2敗、周囲からは「研究されている」と声が出ていることは知っている。でも、研究されてそれを乗り越えるのが相撲、だから“秘密兵器”などは存在しないのだ。

 しかし、敗因は分析する必要がある。貴景勝の良さは下から上にジェット機が離陸するような立ち合い。それが負けた2番はバタフライが降り立つように上から下に覆いかぶさっていた。その結果、当たってからの突き放しが弱く、上突っ張りになってしまった。貴景勝には神さまから送られた典型的な押し相撲の体形がある。周囲の声に耳を傾けるなとは言わないが、自分の相撲を貫くことが上への近道だ。(スポーツ報知評論家)

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