沙羅「勝負の年」20センチバッサリ“金”ショート…平昌「目標は揺らがない」

スポーツ報知
昨年行われたプレ五輪でジャンプする高梨

 全日本スキー連盟は11日、札幌市内で会見し、18年平昌五輪第2次内定選手11人を発表した。ジャンプ女子で昨季W杯個人総合女王の高梨沙羅(21)=クラレ=は、髪を20センチ短くしたショートヘア姿で登場。14年ソチ五輪4位の悔しさを晴らす悲願のVへ「金メダルの目標は揺らがない」と力を込めた。

 見た目から決意があふれた。沙羅は、昨年末に肩まであった髪を20センチも短くした姿で現れた。どよめく報道陣に「18年は勝負の年。後悔も失敗も全て17年に置いていこうと思って」とはにかんだ。五輪で個人ノーマルヒルとラージヒル、団体ラージヒルの3種目がある男子に対し、女子はノーマルヒル1試合の開催。4年間で、金メダルのチャンスはたった一度しか巡ってこない。「目指してきた金メダルの目標は揺らがない」。18年2月12日午後9時50分。文字通りの一発勝負に懸ける心構えは十分だ。

 金メダル最有力ながら4位に終わったソチ。2回目を飛んだ直後、7位だった伊藤有希(23)=土屋ホーム=と「もう一度、五輪に出よう」と言い合った。リベンジを胸に過ごした4年は「心、体、技術がそろわないといけないから、日常生活にも気をつけてトレーニングしてきた」という日々。食事会で飲むのはホットウーロン茶。お酒、夜更かしはもってのほか。普通の女子大生の楽しみは封印し、ジャンプに全てを注いだ。兄・寛大さん(25)は「妹が五輪に出るだけで誇らしい。ただ、五輪で金を取らないとソチの思いは消せないと思う」と覚悟を推し量った。

 今季は海外勢もアルトハウス(ドイツ)、ルンビ(ノルウェー)の2強が台頭。沙羅は未勝利で、W杯男女歴代単独最多の54勝目もお預けが続く。週末のW杯札幌大会(13~14日、宮の森ジャンプ場)に向け、年始は長野・白馬の台で15本ほど飛ぶなど調整を重ねた。「大満足ではないけど、納得のいくところまで上げられた。目の前の一戦一戦をこなすことが、五輪にもつながる」と手応えはある。

 平昌イヤーの正月、都内で家族と初詣に出かけて引いたおみくじは「末吉」だった。「末吉は、行動次第で大吉になる。自分で大吉にできるように頑張りたい。内容をそろえた後に結果もついてくるはず。自分を奮い立たせてやりたい」。大舞台を前にした沙羅は、どこまでもポジティブ。必ず平昌の頂点に輝けると信じている。(細野 友司)

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