【岡部孝信の目】高梨とルンビ、調子の差が飛距離の差 80%までは仕上がっている

スポーツ報知
高梨沙羅の2回目のジャンプ(カメラ・相川 和寛)

◆ノルディックスキー・ジャンプ女子W杯 個人第7戦(19日、山形・クラレ蔵王=HS102メートル、K点95メートル)

 個人第7戦が行われ、昨季個人総合女王の高梨沙羅(21)=クラレ=は93・5メートル、93メートルの合計216・0点で4位だった。W杯男女歴代最多の54勝目はお預けとなり、自己ワーストを更新するW杯8戦連続未勝利。合計260・9点の圧勝で今季5勝目を挙げたマーレン・ルンビ(ノルウェー)とは44・9点差で、自身が2位以下だったW杯では、1位との最大点差となった。伊藤有希(23)=土屋ホーム=は5位だった。

 沙羅は踏み切りで上半身が上向きに立ってしまい、腰が前にいっていないという印象を受けた。もともと蔵王の台は助走路の傾斜がゆるく、ポジションを合わせにくい特徴がある。普通なら助走すると重力がかかり、上から押さえつけられて体が沈む感じがするが、それが少ないから感覚をつかみづらい。台ごとで感覚は変わるし、あまり振り返り過ぎずに自分の良いイメージを取り戻してほしい。

 ルンビはパワーとスピードがあるが、技術は沙羅も同等。本調子ではない沙羅と、好調のルンビ。調子の差が、今の飛距離差になっている。沙羅本人は大きく考えているかもしれないが、本当に微妙なズレだ。80%までは仕上がっていると見ている。

(98年長野五輪団体金メダリスト、雪印メグミルク・スキー部コーチ)

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