渡部暁斗、W杯通算50度目の表彰台

スポーツ報知
渡部暁斗

◆W杯スキー(20日、フランス・ショヌーブ)

 ノルディック複合はフランスのショヌーブで個人第9戦が行われ、14年ソチ五輪個人ノーマルヒル銀メダルの渡部暁斗(29)=北野建設=が2位となり、W杯通算50度目の表彰台に立った。前半飛躍(HS118メートル)を118メートルの123・8点で首位に立ち、後半距離(10キロ)で1つ順位を下げたが踏みとどまった。前半飛躍で4位だったヤン・シュミット(ノルウェー)が渡部暁を1・4秒差でかわし、2連勝とした。

 競り負けても、手応えはある。2位に22秒差のトップで出た後半距離。渡部暁は5キロ手前でシュミットに追いつかれ「後ろに回った方が断然有利。逃げ切れないのは分かった」と理解しつつも「けん制し合って4人で争うより、1位か2位を取る方が賢明」と割り切り、ハイペースでリード。一騎打ちのラストスパートで振り切られ、1・4秒及ばなかった。

 通算11勝目は逃したが、不規則な風の中、最長不倒118メートルを飛んだジャンプの好調は明るい材料。「風はとんでもなく強いし、雪も降っていて(スキーが)滑らない。そんな中で全行程を一人で走り切って表彰台に乗れた意味は大きい」と7戦ぶり今季2度目の表彰台に納得の表情だ。

 飛躍は昨夏に重点強化した部分。助走から飛び出しを改善し、シーズン前には「遠くに飛んでも飛型点を失わずに済む」と手応えを得ていた。この日もヒルサイズと同じ大ジャンプながら、飛型点も全体トップ57点の完璧な飛躍。山岳地帯にある平昌五輪のジャンプ台も風が強く、不規則。風への対応力を示せたのは自信になる。

 節目の表彰台で、W杯ポイント80点を加算し445点。8位で439点のルゼック(ドイツ)を逆転し、総合2位に浮上した。一昨年のあるW杯で、渡部暁は過去3度のW杯個人総合2位、ソチ銀などを踏まえ「ミスター・ナンバー2」と紹介された。「ナンバー2から五輪金メダルをとっても、周りは『たまたま』という印象になる。ナンバーワンと認められた上で目指したい」とこだわっている。

 平昌まで、個人戦は残り5戦。首位のシュミットとの138点差を逆転し、名実ともに金候補大本命で五輪を迎える。

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