宮原知子、SP4戦連続70点超えで首位 安定の活躍を生み出す“ミッドフット着氷”

◆フィギュアスケート 四大陸選手権 第1日(24日、台湾・台北アリーナ)
【台北(台湾)24日=高木恵】女子ショートプログラム(SP)が行われ、日本勢がワンツースリー発進を決めた。平昌五輪代表の宮原知子(19)=関大=が71・74点で首位。坂本花織(17)=シスメックス=は国際スケート連盟(ISU)公認大会で初の大台突破の71・34点の自己ベストで僅差の2位につけた。昨年大会覇者の三原舞依(18)=シスメックス=が3位。女子フリーは26日。
本番にはしっかりと合わせてくる。危なげない演技に、宮原の存在感が際立った。冒頭の連続3回転は最初のルッツで回転不足を取られたが、全日本選手権を含めると4戦連続の70点超え。「こっちに来てから練習がしっくりきていなくて、ジャンプが大丈夫かなということしか考えていなかった」。五輪前最後の実戦で首位発進を決めた。
昨年2月に左股関節の疲労骨折が判明。4連覇した全日本選手権中にも違和感を覚えていた。浜田美栄コーチは平昌五輪までトレーニング重視のスケジュールを組むことも考えたが、宮原は今大会に「出たい」と直訴した。例年は2、3日しか休まない年末年始に1週間オフを取りリセット。「どんな気持ちであっても、本番ではしっかりやらないといけない。このSPはすごくいい経験になった」。実戦で得るものは大きかった。
全日本選手権後に回転不足を回避するため、エッジの中央部で降りる“ミッドフット着氷”に取り組んできた。「エッジで『バチッ!』って降りてくることを意識している」。爪先で降りるよりもフラットに降りる方が着氷は安定する。「きっちり降りた時は、そっちの方がしっかり流れる」。まだ試行錯誤だが、徐々に手応えを感じている。
同じ会場で行われた2014年大会では銀メダルを獲得した。しかし苦い思い出がつまっている。現地の食事が合わずに、体調を崩した。ただでさえ細い宮原が、ガリガリにやせた。「きゅうり」のあだ名がついたほどだ。今回は食事に細心の注意を払っている。生野菜や氷は口に入れない。胃の負担になる油も、極力取らないようにしている。
北米の強豪選手は出場しておらず、宮原は優勝候補筆頭。「優勝して五輪に臨めればそれが一番いいけど、それよりもいかによくなった自分の演技を見せるかということの方が大事」。これまでそうしてきたように、一歩一歩。日本のエースは、大舞台への準備を進めていく。