渡部暁、圧巻の2日連続V 飛躍で首位、距離では独走…ノルディック複合

◆ノルディック複合 第11戦(27日、オーストリア・ゼーフェルト)
ノルディック複合はオーストリアのゼーフェルトで3日間、3試合の総合成績で争う「トリプル」第2戦を兼ねた個人第11戦が行われ、平昌五輪代表の渡部暁斗(29)=北野建設=が第10戦に続き2連勝を飾った。通算12勝目で表彰台は今季5度目。前半飛躍(ヒルサイズ=HS109メートル)で106メートルを飛んで首位に立つと、2位と25秒差で出た後半距離(10キロ)は独走でトップを守った。前半飛躍で4位と好位置につけた弟・善斗(26)=北野建設=は12位に入った。
影さえ踏ませなかった。渡部暁は、25秒差で出た飛躍2位のリーベル(ノルウェー)をぐいぐいと引き離した。あとは気持ちよく一人旅し、W杯通算12勝目のゴールへ滑り込むだけ。「最後はばててしまったが、ジャンプもいい感じだし、2位に1分以上差をつけられたのは良かった。もう少し走力を上げられれば」と、圧勝の手応えに浸った。
飛躍で勝負は決まった。ヒルサイズまで3メートルの大ジャンプ。飛型点でも全体トップの57点を稼いだ。飛型点は60点満点で、54点をとれば“合格点”のレベル。5人の飛型審判のうち、4人が19点。1人は満点近い19・5点をつけるほど美しかった。「内容も良かった。(修正ができれば)こういう結果になる」。距離が得意なライバルに1分以上差をつけ、戦意をくじいた。
4勝を挙げた2011―12年季以来となるシーズン3勝目。個人総合を争うW杯ポイントは100点を上積みし、595点。首位のシュミット(ノルウェー)に63点差まで迫った。平昌五輪まで残り3戦。うち2戦が地元の白馬開催(2月3~4日)のため、十分に逆転も可能。個人総合トップの金候補大本命として平昌に乗り込むのも、現実味を帯びる。複合エースの五輪直前は、限りなく充実している。