“アイホ娘”鈴木世奈、鹿島・内田篤人の「頑張れ」力に大舞台へ

スポーツ報知
練習中にユニホームを着替える鈴木世奈(カメラ・酒井 悠一)

 悲願の五輪初勝利を目指す世界ランク9位のアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」は8日、関東アイスホッケートレーニングセンター(江陵)で現地入り後、3回目のチーム練習を行った。2大会連続五輪のDF鈴木世奈(26)=西武=は、競技は違えど、同じDFとして日本を代表して戦ってきたサッカーJ1・鹿島の内田篤人(29)から刺激を受け、五輪の大舞台を迎える。

 守備の要・鈴木は、同じDFとして世界で活躍してきた内田にトップアスリートとしての在るべき姿を学んだ。2人は東京の国立スポーツ科学センター(JISS)で共にトレーニングに励んできた仲間同士。鈴木は大学1年生から「けがをしない強い体」を作るため、練習外にも空き時間ができたら自主的に、JISSへ足を運ぶようになった。そこで16~17年に、けがのリハビリに来た内田と出会い数回、共に汗を流した。

 内田の著書「僕は自分が見たことしか信じない」を読むなど、鈴木にとって内田は「以前から気になっていた存在」。試合も見ており「落ち着いてプレーしている印象が強かった」と振り返る。実際に多く話す機会は少なかったというが、他のアスリートも一緒に内田を囲んで、昼ご飯を食べ、苦しいトレーニングでは声をかけてくれたという。「頑張れ!」とも言われ、力に変わった。JISSという場でしか実現しなかったトップアスリートとの交流は、新しい発見ばかり。「(内田選手も)けがとか、悩みを抱えていたと思うんですけど、すごい真剣にトレーニングをされていて。取り組む姿勢は本当に学ぶことができた。すごい刺激を受けた」。鈴木は2大会連続五輪の切符を自らの力でつかみ、さらには「メダル獲得」という高い目標を掲げ、平昌五輪へと挑んでいる。

 一方の内田もJISSで過ごした日々に、鈴木と同じ思いを抱いている。「毎朝、眠い目をこすって食堂に行くと、みんながご飯を食べている。そういう(今日も頑張るぞという)姿を見て、自分もやらなきゃという思いになった。あそこで一緒だった選手がプレーしているところや、世界の舞台で活躍している姿は見たいよね。頑張ってほしい」。世界のトップを目指す同じ仲間として、内田もスマイルジャパンの活躍を祈っている。

 ◆鈴木 世奈(すずき・せな)1991年8月4日、北海道生まれ。26歳。ポジションはDF。小学校1年生で競技を始め、法大を卒業後、西武に加入。14年ソチ五輪に出場。15年にはカナダのトロント・フューリーズに加入した。167センチ、58キロ。

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