宮原知子、宇野に続く!「だんだんやっと調子が上がってきた」

スポーツ報知
団体女子SPに向けて調整した宮原はリンクで胸に手を当て精神統一した(カメラ・酒井 悠一)

 フィギュアスケート団体は11日に女子ショートプログラム(SP)、アイスダンスのショートダンス(SD)などが行われる。女子SPを滑る宮原知子(19)=関大=は10日、2度の公式練習で最終調整。男子SP1位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=の活躍に「さすが」とうなった女子のエースが、世界女王のエフゲニア・メドベージェワ(OAR)ら強豪がそろったSPで上位に食い込む。

 応援席で見届けた宇野の雄姿は、一夜明けたこの日も宮原の脳裏にこびりついていた。「さすが昌磨くん!って思った。自分もチームに貢献したい」。日本が3位発進した団体戦はSPに出場することが、この日国際スケート連盟(ISU)から発表された。7日の現地入り後、日に日に調子を上げている女子のエースは出番を待ちきれない様子だった。

 ピンクの本番衣装で臨んだ午前の練習ではSP「SAYURI」を通した。ルッツ―トウループの連続3回転などすべてのジャンプを成功させた。夕方のサブリンクではフリー「蝶々夫人」の曲かけを行った。冒頭のループで回転が抜けたが、他はミスなくまとめ「だんだんやっと調子が上がってきた。この感覚をもったまま試合に臨みたい」。練習後、柔らかな表情を見せた。

 昨年1月に左股関節の疲労骨折が判明した。検査などを重ね、医師から「骨粗しょう症みたいになっている」と告げられた。骨を強くするために、嫌いだった牛乳を頑張ってがぶ飲みした。最近は豆乳にはまっている。ビタミンとカルシウムが豊富な無添加の「靖一郎豆乳」がお気に入り。栄養を気にかけながら、自炊もする。食事とトレーニングの成果から、骨密度は75%から90%まで上昇した。戦う体は完成形に近づいてきた。

 SPには世界女王のメドベージェワ、世界2位のオズモンド(カナダ)、ソチ五輪銅メダルのコストナー(イタリア)がそろい、ハイレベルな争いが展開される。「いつも強い選手とけっこう同じ組でかぶる。自分のスケートを成長させてくれるチャンス」と、この機会を前向きにとらえている。宮原がスケートを滑る一番の理由は「見てくださる方々に感動を伝えたい」。全力で思いを表現する。(高木 恵)

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