アイホ娘、五輪1勝あと一歩…大沢「もっとシンプルに」12日スイス戦

スポーツ報知
スウェーデンに敗れ、五輪初白星を逃したスマイルジャパンの選手たち(後方左から浮田、志賀、小西、藤本那=カメラ・酒井 悠一)

◆平昌五輪第2日 ▽アイスホッケー女子 1次リーグB組 スウェーデン2―1日本(10日・関東ホッケーセンター)

 3度目の五輪出場を果たした女子日本代表「スマイルジャパン」(世界ランク9位)は、1次リーグB組の初戦でスウェーデン(同5位)に1―2で敗れ、悲願の初勝利はならなかった。0―1の第2ピリオド(P)にFW浮田留衣(21)のゴールで同点としたが、第3Pに失点した。12日のスイス戦(同6位)で「五輪1勝」を目指す。B組のもう1試合は韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」がスイスに0―8で大敗した。

 日の丸の旗が揺れ、日本コールが沸き起こる。スマイルジャパンはホームとも思える大声援を受けた。最後まで攻めたが、五輪3大会11戦目でも悲願の初勝利はお預けとなった。「1Pの最初に(失点し)主導権を握られた。良い形で崩してはいたが、(シュートを)打ち切れなかった」。山中武司監督(47)は惜敗スタートに悔しさをにじませた。

 勝機はあった。0―1の第2P残り3分。浮田がゴール前の混戦に反応し、同点ゴールを押し込んだ。流れは傾いたが、2点目が奪えずに第3P序盤に失点。好守も見せたGK藤本那は「0点に抑えないと勝てない」と責任を負った。シュート数は31本で相手を5本も上回った。2点目を許した後、相手が反則で1人少ない2分間のパワープレーが3度もあった。それでもスウェーデンの堅守を攻略できなかった。

 登録23選手のうち、ソチ五輪経験者は15人。16年ぶり出場だった前回大会とは違い、勝つために平昌に乗り込んだ。16年に就任した山中監督はまず「勝つチーム作り」に着手。スタイルを「攻撃重視」から「守備重視」に変えた。外国勢との対戦を想定して体作りにも励み、月1回の体力測定を実施。毎回、自己ベスト更新が求められた。FW中村は「大きい選手にもバトル(ぶつかり合い)できる」。FW床秦も4年で10キロ以上も体重を増やし、世界と戦う体に仕上げてきた。

 試合前には選手同士が1対1で話し合い、互いに五輪への思いを再確認。気持ちは一つになっていた。スウェーデンには4年前も初戦で0―1で敗れていた。リベンジできなかったが、この日26歳の誕生日を迎えた主将の大沢は「自分たちのやりたいことを出すことはできた。もっとシンプルにプレーすることを修正したい」と冷静だった。まだ1次リーグは2試合が残る。気持ちはすでに12日のスイス戦に向かっている。次こそ、最高のスマイルを輝かせる。(小林 玲花)

スポーツ

×