小林陵侑、五輪は「いろんなことが起きるな」兄・潤志郎まさかの失速にも冷静

スポーツ報知
2回目を終え、客席に向かってガッツポーズする小林陵侑

◆平昌五輪第2日 ▽スキージャンプ男子個人ノーマルヒル決勝(10日・アルペンシア・ジャンプセンター)

 日の丸飛行隊で最も輝いたのは、21歳の新鋭だった。五輪初出場の小林陵が、108メートルのジャンプを2本そろえ、日本勢最高の7位に食い込んだ。残り5人まで、3位をキープする大健闘だった。顔色ひとつ変えず、口調も淡々。それでも「自分の力以上のものが出せたんじゃないかなと思ってるんで。うれしいです」と、率直な言葉で振り返った。

 ジャンプ台には強風が吹き荒れ、なかなかGOサインが出ない厳しい状況。極寒の中でスタートは押しに押し、全選手が飛び終わったのは日が替わってからだった。「足先の感覚とかあまりなかったが、うまく動けたので良かった。(内容は)3本飛んで3本とも安定していた。良かったと思う」

 兄の潤志郎がまさかの失速で2回目に進めず。しかし弟は、冷え切った外気よりも、冷静に乗り切った。「普段のW杯より緊張しなかった。(五輪は)いろんなことが起こるなと思った」。身体能力はピカイチで、所属先の監督であるレジェンド葛西も舌を巻く。昨オフの宮古島合宿では体幹を徹底強化し、素材にさらに磨きをかけた。次の出番は16日の個人ラージヒル予選。「ラージヒルでも自分のジャンプをして、日本チームに貢献できるように頑張ります」。最後まで、静かに言った。

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