村田愛里咲、18位で決勝2回目進出ならず 女子モーグル連続入賞5大会で途切れる

スポーツ報知
決勝1回目で敗退した村田愛里咲

◆平昌五輪第3日 ▽フリースタイルスキー女子モーグル決勝(11日・フェニックス・スノーパーク)

 女子モーグルの決勝が行われ、予選9位で3大会連続決勝進出を果たした村田愛里咲(27)=行学学園教=が決勝1回目に臨み、70・77点で18位。20人中上位12人が進む2回目進出はならなかった。日本女子は1998年長野大会から5大会連続で入賞を果たしてきたが、平昌で途切れた。

 4年前の忘れ物を取りに来た。14年ソチ五輪。決勝直前の公式練習で左膝靱帯(じんたい)を損傷し棄権を余儀なくされた。手術と懸命なリハビリを経て昨季、3シーズンぶりにW杯に復帰。「五輪でメダルを取ってお世話になった人に恩返しする」との思いで、突然終わった夢舞台に戻ってきた。

 不運に直面しても「まだ次があるとすぐに吹っ切れた」。その強さが真骨頂だ。平昌へ向けて綿密に復帰計画を立てた。約2年間はスキー板を履かず、膝の筋力や柔軟性の回復を優先した。

 支えになったのは、自身が教諭を務める幼稚園に通う園児の存在だった。「きっと良くなるから大丈夫」「次は頑張ってね」と励まされ「子どもたちに夢を与えたい」と黙々とリハビリに取り組んだ。

 昨季はスタミナ不足からレース終盤に滑りが乱れることがあったため、オフは心肺機能の向上に努めた。女子では高難度のエア「フルツイスト(伸身後方1回宙返り1回ひねり)」にも磨きをかけた。競技人生の集大成と位置付けていた平昌。今大会は終わったが、会場名「フェニックス=不死鳥」は村田にふさわしい復活の舞台だった。

 ◆決勝の順位決定方法 予選を突破した20人で争われ、3回のラウンドに分けて行う。決勝1回戦後に上位12人、決勝2回戦後に上位6人まで絞り込み、最終決勝3回戦で順位を決める。

 ◆村田 愛里咲(むらた・ありさ)1990年10月17日、北九州市生まれ。27歳。小学生でスキーを始め、中学時代にモーグルに転向。北海道尚志学園高から北翔大に進み、10年バンクーバー五輪8位。今回で3大会連続出場となる。現在は福岡の実家が経営する幼稚園、行学学園の教諭。152センチ、48キロ。

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