羽生結弦、入国に韓国女子ら150人が空港に大集結

スポーツ報知
11日午後に仁川国際空港に到着した羽生結弦

 平昌五輪で金メダルを目指すフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=は、韓国でも女性の追っかけがいるほど人気だ。11日、羽生がカナダ・トロントから入国した仁川国際空港ターミナルには韓国人ファンを中心に日本人、中国人など約150人が待ち構え、声援を送った。なぜ日本人アスリートが韓国でこんなに人気があるのだろうか。彼女たちと一緒に「ユヅ待ち」しながら取材した。

 羽生がさっそうと通り過ぎ、騒然となった仁川空港。一瞬、目が合った感激を「ちょーやばかったです!」と興奮気味に話すのは、日本人ではなく韓国人女性だ。

 ソウル在住で飲食店勤務の姜(カン)ソミさん(24)は、1週間かけてイラスト入りの応援幕を作って到着の4時間前から待ち構えた。もちろん、羽生が大好きな「くまのプーさん」のぬいぐるみも持参。「『再び韓国へようこそ。ユヅ君、頑張ってください』と声をかけたら、こちらを見て、うなずいてくれたんですぅー」と声を弾ませた。

 それにしても私の韓国語など不要なぐらいに姜さんは日本語が上手だ。1年間、日本のホテルで勤務した経験があるそうだが、それだけでこのレベルにはならない。韓国の“ユヅリスト”たちは「ユヅ愛」で日本語が上達するらしい。ソウル郊外の京畿道平沢市から来た30代の裴真珠(ペ・ジンジュ)さんも日本人かと思うほど流暢(りゅうちょう)だ。「もちろんユヅ君の試合は全部見に行きます。友達の分までチケットを買ったんですよ」

 姜さんと裴さんに共通するのは、羽生が金メダルを取った2014年ソチ五輪をきっかけにファンになったという点だ。それ以来、四大陸選手権、NHK杯、全日本選手権…と各大会で追いかけた。日本語が上手になるのも分かる気がする。

 韓国のファンの話を総合すると、正式なファンクラブが韓国にあるわけではないが、ネット上では少なくとも100人以上が交流している。韓国で売っていない羽生グッズは日本に遠征した時に買ってくる。日本在住の韓国人女性ファン(37)によると、羽生の追っかけが急増したのは、金妍兒(キム・ヨナ、27)がソチ五輪で銀メダルを取って引退して以降だという。「“ヨナロス”は韓国人にとっては大きいものでした。性別は違いますが、卓越した才能と容姿が共通することから金妍兒とダブらせて羽生選手を見ている韓国人が多いんです」

 もともとフィギュアの強豪ではない韓国で、金妍兒は突然出てきた天才。後継者として女子では崔多彬(チェ・ダビン、18)、男子では「羽生に似ている」との声もある、車俊煥(チャ・ジュンファン、16)らが平昌五輪に出場しているが、金メダリストのレベルにはまだ達していない。「他の選手とは格が違う。私の目にはユヅ君しか入りません」と裴さん。「ユヅ愛」は国境を超えた。

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