スノボ鬼塚雅、決勝一発勝負で転倒19位に涙「五輪、あまり好きじゃないなって思いました」

スポーツ報知
19位に終わり涙を見せた鬼塚(左)は、広野になぐさめられる(カメラ・相川 和寛)

◆平昌五輪第4日 ▽女子スロープスタイル決勝(12日・平昌フェニックス・スノーパーク)

 女子スロープスタイルは悪天候で予選が中止されて決勝一発勝負になり、15年世界選手権金メダルの鬼塚雅(19)=星野リゾート=は強い向かい風に苦しみ、39・55点で19位にとどまった。日本勢の最高は63・73点で9位の藤森由香(31)=アルビレックス新潟=。日本は出場4人全員がビッグエア(19日予選、23日決勝)にも出場する。

 鬼塚の目には、こぼれ落ちそうなほどの涙がたまっていた。日本勢メダル第1号にも期待されていたが、吹き荒れる強風にも泣かされ19位。金メダル取りのために磨いてきた縦2回転、横3回転の大技「バックサイドダブルコーク1080」も披露できなかった。「言葉が出てこない…。自分がやってきたことを技として出せなかった。悔しい」。14年ソチ五輪は代表落ち。やっとつかんだ初の五輪で自然の猛威に襲われた。「オリンピック、あまり好きじゃないなって思いました」

 11日に行われるはずだった予選が悪天候のため中止になった。一発勝負となった決勝も強風が吹き続け、舞い上がる雪で視界がふさがれた。10時開始が11時15分に順延されても風は弱まらず。日本チームはジャンプエリアの1つ目と3つ目の台付近にスタッフを配置して風の状況を伝えたが、目まぐるしく条件が変化したため効果は薄かった。

 「自然も関係している競技なので仕方ない。追い風だったら良かったけど、自分が(滑りに)行ったら向かい風。運がない」。叩きつけるような強い向かい風のため、ジャンプでは空中で思うように体が回らず、2本とも3つあるジャンプ台の2つ目の着地で転倒した。ともに大きな減点となり、メダルの夢はついえた。

 7歳の時「世界一になる」と目標を立てた。ただ、夢をかなえるチャンスが終わったわけではない。19日にはビッグエアの予選が行われる。今季W杯で3度表彰台に乗っている得意種目で「とりあえず気持ちを切り替えて練習しようと思う」と前を向いた。(小林 玲花)

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年10月12日、熊本市生まれ。19歳。熊本・ルーテル学院高―早大1年。15年世界選手権スロープスタイルで史上最年少優勝。17年世界選手権は同種目で銅メダル。158センチ、47キロ。

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