高木美帆、団体追い抜きで「1番を」冬季日本勢初の1大会で金・銀・銅メダルだ

スポーツ報知
スピードスケート女子1000メートルのメダル授与式での高木美(左)と、優勝したテルモルスの持つ金メダルを見つめる銀の小平(右、カメラ・相川 和寛)

 平昌五輪スピードスケート女子1000メートルで銀の小平奈緒(31)=相沢病院=と銅の高木美帆(23)=日体大助手=が15日、それぞれ平昌でメダル授与式や一夜明け会見に臨んだ。

 高木美は2度目となったメダル授与式を終えると、闘志がわき上がるのを感じた。「このメダルをもらった時に、次はパシュート(団体追い抜き)っていうふうに強く思った。1000メートルで3番だった喜びもあるけど、それ以上にパシュートで頑張りたいなという思いになった表彰式だった」と心境を語った。

 低地で自身初の1分13秒台をマークした1000メートルは、今大会で最も納得のいくレースになった。「チャレンジャーとして挑んで自分のベストを尽くしての3番だったので思い残すことはない」。優勝したテルモルス(オランダ)、小平と並び「他の2人の選手が自分より速かったんだとたたえたい」とさわやかな笑顔で銅メダルを受け取った。

 個人種目で日本女子初の複数メダルの喜びに浸ることなく、気持ちは団体追い抜きに切り替えている。19日に予選、21日に決勝までが行われるが、最大のライバルは前回女王のオランダだ。高木美は3000メートルが5位、1500メートルが銀、1000メートルで銅と、いずれも表彰台の中央に立ったのはオランダ勢。「パシュートは本当に1番を狙っていきたい」と雪辱に燃える。

 日本勢初の快挙にも王手をかけている。これまで冬季五輪の1大会で金、銀、銅メダルを総なめにした選手はいない。「コンプリート? そうですね。チームで戦う種目なので抜かりなくいきたい。王者にチャレンジしていく気持ちで頑張りたい」。今季世界新を3連発し、金メダルに最も近い位置にいる種目で譲るつもりはない。(林 直史)

 ◆日本勢の1大会での金・銀・銅メダル獲得 冬季では誰もいない。夏季では1956年メルボルンと60年ローマの小野喬、68年メキシコと72年ミュンヘンの中山彰規、72年ミュンヘンの監物永三と笠松茂、76年モントリオールの塚原光男、84年ロサンゼルスの具志堅幸司と森末慎二、16年リオの萩野公介の10例。競泳の萩野以外は全て体操で、種目別などでメダルを量産した。

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