小平奈緒、羽生に続く金へ“視界良好”自己ベスト連発を支える平昌仕様新ゴーグル

スポーツ報知

 スピードスケート女子500メートルは18日に行われる。金メダル大本命の小平奈緒(31)=相沢病院=、メダル候補の郷亜里砂(30)=イヨテツク=らが17日、江陵オーバルで調整。組み合わせ抽選も行われ、小平は16組中14組目のインスタート。同走はエルバノバ(チェコ)に決まった。平昌仕様に新調したゴーグルで、スピードスケート女子初の金メダルを狙う。

 日本選手団の主将が満を持して、昨季から国内外24連勝中の本命種目に挑む。小平は午後6時半から約40分間、氷上で最終調整を行った。世界記録保持者として臨んだ14日の1000メートルで2位。翌日のメダル授与式では表彰台の2段目に上がり「次はもう一段上? アスリートなので。そういう気持ちは大切にしたいなと思ってます」と金メダルへの意欲を示していた。

 細部にもこだわり、準備も万全だ。昨年末の代表選考会。国内最高の37秒13で優勝したが、致命的なミスも犯していた。フィニッシュ地点の数十センチ手前で右足を伸ばした…はずが、実際は5メートルも手前。ゴール地点を正しく目視できていなかった。足を伸ばし、体が止まる時間が長くなれば、それだけタイムは遅くなる。5メートルも手前で足を放り出せば、そのわずかな差で涙をのむ可能性も考えられた。

 レースから約1か月後、視力の検査のため、パーソナルビジョントレーナーの露木慎吾氏を訪ねた。露木氏によると「リンクの照明は明るいものではなく、照度は曇った日の4分の1しかない。薄暗いため、瞳孔が大きくなり視力低下につながる」。以前から使用するオークリー社のゴーグルのレンズを変えることで対応。「暗い平昌のリンクの照度と同じ状態での瞳孔の大きさにして、必要な視力を測定して」(同氏)、1月に平昌仕様のゴーグルを渡した。

 フレームの左が赤、右が黄色の新ゴーグルで挑んだ今回は1500メートルが6位、1000メートルは銀メダルで、ともに低地の自己ベストをマークした。ライバルで五輪2連覇の李相花(韓国)は今月3日の国際競技会で37秒18を記録。午後1時から行った前日練習でもコーナーを鋭く駆け抜け、復調を感じさせたが、小平も7日のタイムトライアルで37秒05をたたき出している。女子初の金メダルへ、視界は良好だ。(林 直史)

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