男子フィギュア「新4回転時代」…種類・本数・成功率が勝敗左右

スポーツ報知
4回転ジャンプをプログラムに入れた選手の推移

 男子フィギュア界はソチ五輪後から、複数種類の4回転を操る「新4回転時代」に突入した。1988年の世界選手権でカート・ブラウニング(カナダ)が世界で初めて4回転のトウループを成功させた。99年にはイリヤ・クリムキン(ロシア)が2本の4回転を降り、ティモシー・ゲーブル(米国)が3本の4回転を降りた。4回転3本という構成が当時の最高難度。そこから約15年間は、4回転が1~2本の時代が続いた。

 ソチ五輪では2種類の4回転を持ち、フリーに2本組み込んだ羽生が金、パトリック・チャン(カナダ)が1種類2本で銀、デニス・テン(カザフスタン)は1種類1本で銅メダルを取った。その後は羽生の背中を追いかける若手が台頭。宇野、金博洋(中国)、ネーサン・チェン(米国)らが複数種類の4回転に挑み、プログラムに3~5本を入れた。特にチェンはアクセル以外5種類の4回転を史上初めて試合で成功。平昌五輪ではSPでミスを連発して17位に沈んだが、フリーでは4種類6本の4回転を組み込み5本を成功。フリーだけの得点では羽生、宇野を上回る1位だった。

 現在は4回転の種類、本数、成功率が勝敗を大きく左右する。羽生は自身が「新4回転時代」を切り開いたとする見方を「100%否定したい」と断言。「いろんなジャンプを跳ぼうと思ったのは、間違いなくボーヤン(金博洋)選手のルッツを見て。ループはハビ(フェルナンデス)の完成度の高い演技を見て。日本でも、うかうかしていられないと思ったのが、宇野選手の存在」と言った。4年後へ、新たな4回転時代が始まろうとしている。(小林 玲花)

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