小林陵侑がエース 19日団体頼んだぞ…ラージヒル日本勢最高10位

スポーツ報知
2回目を終え、電光掲示板を見つめる小林陵侑(カメラ・相川 和寛)

◆平昌五輪第9日 ▽スキージャンプ男子個人ラージヒル(LH)決勝(17日・アルペンシア・ジャンプセンター、ヒルサイズ=HS142メートル、K点125メートル)

 個人ラージヒル決勝(HS142メートル、K点125メートル)が行われ、予選3位通過の小林陵侑(21)=土屋ホーム=が135・5メートル、128メートルの合計258・0点で日本勢トップの10位に入った。カミル・ストッフ(ポーランド)が135メートル、136・5メートルの285・7点で2連覇。竹内択(30)=北野建設=は22位、W杯個人総合8位の小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=は24位。ソチ五輪銀メダルの葛西紀明(45)=土屋ホーム=は1回目に121メートルの33位で、上位30人による2回目に進めなかった。

 表彰台、そしてノーマルヒル(7位)に続く入賞がスルリと逃げた。小林陵は1回目で135・5メートルの7位と好発進したが、2回目は128メートル。10位に落とし、首をひねった。「メダルは意識していなかった。そんなに悪い内容ではない」。好飛躍を2本そろえる難しさは痛感したが、W杯未勝利の21歳にとっては大躍進の初五輪。「(メダリストとの差は)空中のスピードかな。悔しいですけど、これから取り返していきたい」と思いを新たにした。

 1回目33位で2回目に進めなかった師匠の葛西からは「(同じ土屋ホームの)有希と俺で風を送っておくから」と思いを託されていた。今大会はノーマルヒルに続くトップ10入り。今季W杯個人総合34位ながら、上位勢と十分戦える力を示し「自信になる」とうなずいた。陵侑(りょうゆう)の「陵」の字には「高みを見る人になってほしい」(父・宏典さん)の意味が込められている。例年5~6月の土屋ホーム宮古島合宿では、レジェンド考案の多彩な体幹強化メニューをこなし、身体能力を磨いた。「これ以上は無駄と思えるほどのトレーニングをしないと」。努力が花開きつつある。

 19日は、ジャンプ勢の今大会最終種目となる団体ラージヒル。ソチ五輪銅に続く表彰台へ、進境著しい小林陵はエースが担う4番手を任される可能性も十分ある。「4番手は緊張すると思うけど、やってみたい」。葛西に続く次世代エース候補がメダルへ導き、手応えを確信に変える。(細野 友司)

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