【岡部孝信の目】団体では開き直って!運も向いてくれればメダルの可能性ある

スポーツ報知
小林陵侑の1回目のジャンプ(カメラ・相川 和寛)

◆平昌五輪第9日 ▽スキージャンプ男子個人ラージヒル(LH)決勝(17日・アルペンシア・ジャンプセンター、ヒルサイズ=HS142メートル、K点125メートル)

 個人ラージヒル決勝(HS142メートル、K点125メートル)が行われ、予選3位通過の小林陵侑(21)=土屋ホーム=が135・5メートル、128メートルの合計258・0点で日本勢トップの10位に入った。カミル・ストッフ(ポーランド)が135メートル、136・5メートルの285・7点で2連覇。竹内択(30)=北野建設=は22位、W杯個人総合8位の小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=は24位。ソチ五輪銀メダルの葛西紀明(45)=土屋ホーム=は1回目に121メートルの33位で、上位30人による2回目に進めなかった。

 陵侑は不利な追い風が少しあったものの、しっかり自分のジャンプをしていた。だが、他の3選手は五輪に入ってから調子が崩れているようだ。特に葛西は助走での重心が高すぎる。あれではカンテ(踏み切り台)に力が伝わらない。調子が良くないまま大会に入ったので余裕がなかったのかもしれない。潤志郎も助走で上半身の位置が少し高く、浮いている感じだ。

 ポーランド、ドイツ、ノルウェーの上位勢は追い風でも失敗せずに飛距離を伸ばしている。団体戦は、この3強が中心となるだろう。実績あるプレブツを擁するスロベニア、目立たなかったオーストリアも急激に調子を上げてきた。

 日本は陵侑が好調を持続しており、竹内も堅実に飛んでいる。潤志郎もノーマルヒルや公式練習よりは上向き。多くの修羅場をくぐってきた葛西も、経験の力で修正できるだろう。後は気持ちの問題。開き直って運も向いてくれればメダルの可能性はある。

(98年長野五輪ジャンプ団体金メダリスト、雪印メグミルク・スキー部コーチ)

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