葛西、49歳で迎える北京で「絶対メダル」9度目五輪へ現役続行明言

スポーツ報知
団体を6位で終え笑顔で引き揚げる葛西

◆平昌五輪第11日 ▽スキージャンプ団体ラージヒル決勝(19日、アルペンシア・ジャンプセンター HS142メートル、K点125メートル)

 団体ラージヒル決勝(HS142メートル、K点125メートル)が行われ、竹内択(30)=北野建設=、伊東大貴(32)=雪印メグミルク=、葛西紀明(45)、小林陵侑(21)=ともに土屋ホーム=で臨んだ日本は、合計940・5点で6位となり、ソチ五輪銅に続き2大会連続となる表彰台を逃した。葛西は現役を続行し、22年北京五輪を目指すことを明言した。ノルウェー(タンデ、スティエルネン、フォルファン、ヨハンソン)が合計1098・5点で優勝した。

 葛西は晴れやかだった。日の丸が揺れる観客席へ手を振った。胸には確かな闘争心が宿っている。「(北京五輪は)目指すというか、絶対出ます! 次は絶対メダルを取る、という悔しい気持ちが出ているから大丈夫。完璧なトレーニングをして臨む五輪にしたい」と現役続行を明言。49歳で迎える9度目の五輪を、はっきり思い描いた。

 団体戦は下馬評から厳しかった。ノルウェー、ドイツ、ポーランドの“3強”が盤石。日本3番手の葛西は124メートル、125メートルを飛んだが、130メートル超えを連発する強豪には歯が立たなかった。今大会は個人戦でもNH21位、LHでは2回目にすら進めず33位。冬季で世界最多を更新する8度目の五輪は不完全燃焼で幕を閉じたが、不思議と心は穏やかだ。「すごい(最多の)記録を作れて良かった。五輪に出ることが最大のプレッシャーだった。今回は五輪というものを家族(妻・怜奈さんと長女・璃乃ちゃん)に見てもらえた。次は家族の前でメダルを目標にしたい」と優しい父親の顔で誓った。

 今大会は21歳の小林陵がNH7位、LH10位と躍進。五輪は不調だったが、小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=もW杯個人総合8位と後続が育っている。北京での復権へ、葛西は「フィジカル面では世界のトップまで上がっている。あとは精度を高めて、絶好調のジャンプをすればチャンスは来る。4年後を目指す選手はたくさんいるし、僕も(技術を)教えてあげたい」。日の丸飛行隊の中心で、まだまだ輝き続けるつもりだ。(細野 友司)

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