藤森由香、31歳集大成「ビックリ」2位 岩渕とW表彰台だ

スポーツ報知

◆平昌五輪第11日 ▽スノーボード女子ビッグエア予選(19日、アルペンシア・ジャンプセンター)

 新種目の女子ビッグエア予選で、藤森由香(31)=アルビレックス新潟=は94・25点の2位。岩渕麗楽(れいら、16)=キララクエストク=が3位、鬼塚雅(19)=星野リゾート=は86・50点の7位で決勝へ進んだ。

 藤森こん身の「バックサイド900」(進行方向と反対向きに回り始め、横2回転半)が決まった。空中ですでに「ああ、これは(着地がうまく)立ったな」と思うほどの完璧さ。高得点を確信し着地の瞬間にバンザイだ。直前の岩渕が出した92・75点から2人連続の90点台で、しかも94・25点と上回ると「キャーーーー!」と言葉にならない歓喜の絶叫。「自分でもビックリするようなスコアが出た。クリーンな滑りをすればいいスコアにつながるんだなって実感があった」。思わず声が大きくなった。

 複数の人数で滑り、着順を競うスノーボードクロスでは、五輪に3度出場。初出場の06年トリノ五輪では7位に入賞したが「むかつく」ほど世界との差を痛感した。リベンジを誓った10年バンクーバー大会では公式練習で強風にあおられ転倒し、頭部を強打。日本選手団の医師と一緒にスタート地点まで上がりながらも、棄権した。14年ソチ大会は準々決勝でレース中に転倒。そして15年、競技転向に踏み切った。「この場所に立てていることが本当に幸せ」。喜びをかみしめながら、転向後初めてにして、最後と決めた五輪を迎えている。

 観客が去り、がらんとした予選後のスタンド。声をかけてきたファンと丁寧にあいさつを交わし、笑顔で写真撮影に応じた。一人でも多くの人に感謝を伝えたかった。スキーやスノボの選手、指導者を育成する専門学校「全日本ウィンタースポーツ専門学校」(新潟県妙高市)出身。同校で初の五輪選手としての競技人生で、残すは23日の決勝3回。「支えてくれたみんなに感謝して、自分のできる最高の滑りをして、結果で恩返しができたら」。感謝のメダルで花を添える。(小林 玲花)

 ◆藤森 由香(ふじもり・ゆか)1986年6月11日、長野・長和町生まれ。31歳。東海大三高(現東海大諏訪高)―全日本ウィンタースポーツ専門学校。スノーボードクロスで06年トリノ五輪から3大会連続出場。実家は長野・エコーバレースキー場でレストランとスノーボードショップを営む。160センチ、55キロ。

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