15歳ザギトワが新女王!メドベージェワとフリー同点もSP差逃げ切った…羽生がお手本

スポーツ報知
メドベージェワ(左)とスマホで記念撮影するザギトワ(中央、右はトゥトベリーゼコーチ=カメラ・酒井 悠一)

 15歳9か月の新女王が誕生した。ザギトワはメドベージェワの得点を見守ると、小さく肩を震わせ涙した。「うれしいと同時に心の中が空っぽになったようだった。私には失敗する権利がなかった」。国家ぐるみのドーピング問題に揺れる国の期待を背負ったプレッシャーから、やっと解放された。史上最もハイレベルな決戦。互いにほぼ完璧な演技をみせた2人の差はわずかに1・31点だった。

 「ドン・キホーテ」の曲に乗せ、シニア1年目とは思えない情感を漂わせた。最初に跳んだ高難度のルッツ―ループは単発になったが、終盤のルッツにループをつけ、見事にリカバリー。大舞台で冷戦な判断が光った。ジャンプは7本全て、得点が1・1倍になる後半に詰め込んだ。批判もある構成だが「スローな音楽で始まってステップを踏み、最後はよりダイナミックにスピードアップしてリズムに合わせてジャンプを跳ぶ。私の演目は調和が取れている」と反論した。

 将来の夢が日本食レストランを開くことという親日家は、男子で2連覇した羽生結弦(23)=ANA=を「レジェンド」「お手本」と呼ぶ。度重なるけがや衝突事故を乗り越えた羽生と、腕を骨折しながら強行出場した大会で足を折った自分を重ね「彼も私のようにアップダウンがあった。シーズンの半分近く実戦を離れながら、五輪で最高の滑りを見せて尊敬する」と語る。12歳で故郷のイジェフスクを離れてモスクワに移り住んだ。「競争はあっても友達」というメドベージェワと同じリンクで演技を高めていく生活は、まだまだ続きそうだ。

 ◆史上2番目に若い女王 大会組織委員会の公式情報システムによると、今季シニアデビューしたばかりのザギトワは女子で史上2番目の若さとなる15歳281日で金メダルに輝いた。最年少記録は1998年長野五輪を15歳255日で制したタラ・リピンスキー(米国)。

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