2020東京五輪へ、輸送と気候「参考にしなくては」…JOC平岡英介専務理事に聞く

スポーツ報知
平岡英介専務理事は日本選手団の活躍に「大満足」とガッツポーズ

 平昌五輪が25日に閉幕し、いよいよ2020年東京五輪へ向け、機運を高めていく時期に入った。平昌五輪では現地に「ジャパンハウス」を設置し、東京大会のPRを行った日本オリンピック委員会(JOC)の平岡英介専務理事(69)に大会で感じたことを聞いた。

 「大会前には施設の完成が間に合うかとか、チケットの売り上げが悪いとかネガティブなニュースがあったが、運営そのものは、組織委が非常に頑張っていた。ただ強いて言うと(課題は)トランスポーテーション(輸送)。深夜に競技が終わった後、一般の観客が帰れないような問題があった。東京はもっと渋滞の激しい狭い地域。大会前に計画をしっかり立てないと運営に支障をきたす可能性がある」

 平昌では約1万8000人のボランティアが参加した。開会前には環境の劣悪さから離脱する人が続出したとも報じられた。

 「冬の平昌はマイナス15~20度と非常に寒い。環境面での考慮は暑い東京でも参考にしなくてはいけない。ボランティアの皆さんは寒い中でも笑顔で迎えてくれて非常に感じが良かったね。(課題は)ボランティア教育。質問してもなかなか英語がうまく通じなかったりとか、知識がなくて分からないこともかなりあった。もう少し事前に教育する必要があったのかなと感じるところは多少あった」

 ジャパンハウスは、国際オリンピック委員会(IOC)などの関係者向けのものを平昌に、一般向けの施設を江陵に設置した。平昌の施設の訪問者は合計3000人。ソチ五輪時の1702人を上回った。

 「非常に多くの方に来ていただき、すしなどでのおもてなしは非常に喜んでいただけた。チーム・ジャパンも非常にいい成績を残せた。JOCとしては今後、選手強化が第一。東京大会まではまだ2年半あるが、(準備は)来年が勝負になる」

 ◆平岡 英介(ひらおか・えいすけ)1948年3月3日、東京都生まれ。慶大卒。大学時代はボート競技で早慶レガッタに4回出場。全日本準優勝。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会常務理事。公益社団法人日本ボート協会理事。

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