羽生結弦が語るフィギュア芸術論「難しいジャンプがあるから芸術が成り立っている」

スポーツ報知
日本記者クラブで笑顔で記者会見をする羽生

 平昌五輪フィギュアスケート男子2連覇の羽生結弦(23)=ANA=が27日、外国特派員協会と日本記者クラブの会見で、自身のフィギュア芸術論を熱く語った。

 新4回転時代に突入し、ジャンプと芸術性のバランスについて議論が深まっていることで、国際スケート連盟(ISU)ではルール改正の動きもあることを外国人記者から質問され、「僕の耳にも来季から大きなルール変動があるかもというのは届いている」と口を開いた。続けて「技術的なものが発達しすぎると芸術性が足りないと良く言われる。ただ、バレエとかミュージカルとかの芸術は正しい技術、徹底された基礎、表現力がないと(成り立たない)。すべてにおいて正しい技術を使い、それを芸術として見せることが一番大切なことだと思っている。選手の中には難しいジャンプが大事だと思ってそれで勝ってる人もいる。僕は難しいジャンプがあるからこそ芸術が成り立っているんだなと思う。そういうジャンプをしていきたい」と語った。

 日本記者クラブではNHK解説委員の刈屋富士雄氏(57)から「(ジャンプが)5回転までいくとジャンピング選手権になるのではないか。限界としては4回転半までと個人的には思う」と質問されると、小さくうなづき、「いまの3回転半のように4回転半が主流になることは、この50年間はないだろうと思う」と持論を展開した。

 続けて「ジャンプ選手権というか、スノーボードの平野選手とも話しましたが、スノーボードのハーフパイプみたいになってしまう。もし、羽生結弦が4回転半や5回転を絶対に入れるとしたら確実に表現の一部にします。ぼくのスタイルはそこだし、そういうところにほれ込んできたので。だから、オリンピックで、この種目で金メダルを目指してきた。難易度と芸術のバランスはないんじゃないかなと思う。芸術は絶対的な技術力に基づいたものだと思います」と語った。

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