羽生結弦、記者会見はしごで“金語録”連発 プライベートもムチャぶりも“神回答”

スポーツ報知
難しい質問に困惑する羽生結弦

 平昌五輪フィギュアスケート男子で66年ぶり連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が27日、東京・千代田区内の日本外国特派員協会、日本記者クラブの記者会見にはしご出席し“金語録”を連発した。人類初の5回転ジャンプへの挑戦やフィギュア芸術論を熱弁し、外国人記者のムチャぶり質問にも“神回答”。五輪で話題になった「森に帰ったプーさん」発言の真意など自身にまつわるあれこれを大いに語った。

 【日本外国特派員協会で】

 ■将来は5回転に挑戦

 「科学的な研究から5回転までは人間の能力でできると言われてます。5回転半は無理かもしれないけど、ちょっと挑戦してみたい気はあります」

 ■右足首のけが

 「スケートができない間だからこそ机、パソコンに向かっていろんなことを学べた。治りが遅くてすごく焦ることも多かったけど、けがについて調べたり、感覚や痛みと向き合いながら、どのようにすればけがを早く治せるかを勉強していた。けがをまたしないようにトレーニングの方法やピークのつくり方、試合に向かう時のメンタルの仕方を勉強した。はっきり言って、痛い時から比べて20%、30%ほどしか痛みは落ちていない。20~30%の痛みに落としてくれたトレーナーに感謝」

 ■北朝鮮選手

 「エキシビションの練習中に会うことができました。一生懸命練習しているし技術力も持っているなという印象です。う~ん、難しい質問。僕は政府の人間じゃないからこういうコメントは難しい。ただ、一緒の仲間であることは確かなことだし、彼らがオリンピックに出たのは良かったなと思います」

 ■勝負飯

 「日本人として、ここはすしとかって言いたいですけど、競技前に生ものは非常に危険ですので(笑い)。僕は絶対にご飯(米)は食べるようにしてる。日本人らしいのかな。パンやパスタ、シリアルでは絶対に力が出ない。どの会場、どの国でもご飯です。パワーにつながる」(司会から『これで日本中のご飯の売り上げは伸びるでしょう』と言われ会場は爆笑)

 ■ふだんの食事

 「食に対してまったく興味がなくて、言ってみれば難しい質問がまた来た感じです(笑い)。僕はどちらかというと食べても太らないタイプ。ふつうのアスリートとは違う生活をしているかな。だからマックも行きますし、炭酸ジュース、ガス入りのジュースもすごく好き。それといっしょにポテトチップスも食べます」(司会から『羽生ダイエットだね。あの会社の売り上げもこれで上がるね』と突っ込まれ、またも爆笑の渦)

 ■次の演技曲

 「まだ次は考えてません。なのでオリンピックの曲を説明させてもらいます。フリーは映画『陰陽師』の音楽『SEIMEI』でした。フィギュアはこれまでの歴史から見るとアジア人が勝つことはなかった。ヨーロッパで発展した競技で、美しさを表現するからアジア人が不利だと言われてきました。自分の曲で自分の国の文化や、独特な曲が増えていくきっかけになれば」

 ■競技前のルーチン

 「以前は右足から(スケート靴を)履いていたけど、ある時、左足から履いてすごく緊張したら、うまくいった経験がある。それからは左足でもいいなと。日本人だからかもしれないけど、(ホテルなどで)掃除をされる前にベッドのシーツや枕はきれいにしてから出る。心残りがない状態で試合に行くことは絶対にしている」

 ■フェルナンデスとの友情

 「金メダルを取った時に、泣いてしまうスイッチが入ったのは、彼のメダルが決定したからでもありました。6年間、いっしょに練習してお互い高め合い、幸せだったし、彼がいなかったら僕はここの席にメダルを持ってくることはできなかった」

 【日本記者クラブで】

 ■プーさんの行方は

 ―五輪会場で無数に舞ったプーさんはどこへ。

 「森に帰りました(笑い)。この言葉がすごく好きで、森に帰ったという言葉がファンタジーでよいので」

 ―男子マラソンで設楽悠太が日本記録を出して1億円の報奨金が出た。花束やプーさんがお金に見えるか。

 「すごくリアルなこと言いますよ。現地(平昌)に来てくださった方はチケットやプーさんを買ったり相当なお金を使ってくれている。そこまでして僕の演技を見たいと思ってくださってる。経済が回ったら十分」

 ■宇野について

 ―平昌五輪銀の後輩・宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が、「ノーミスなら逆転できるかも」と臨んだフリーの冒頭の4回転ループを転倒したことについて。

 「一つ言いたいのは、あの時点で僕は勝利を確信していたので。(宇野が)4回転ループを決めていたとしても点差的にも負けていなかったです。批判されるかもしれないけど前提としてそれだけは言っておきます」

 ―宇野へメッセージは。

 「引退する気持ちも全然ないし、やることあるし。引退しますって簡単に言ってしまっても彼に任せられる頼もしさはあるけど、せめて(一夜明け会見で宇野が居眠りしたことを指摘し)人前に出る時に寝るとかはちょっと。もうちょっと学ばないと。もうちょっと面倒みてあげないといけないかな(笑い)」

 ■結婚

 「はぁ~。あはは。これはなんて答えたらいいか分かりません(笑い)。家族を持ったら『裏切られたぁ』って言われるかもしれないし。ま、アイドルじゃないんですが。ふつうの人から見たら手に入れるものすべて手に入れたろと。お金も名誉も地位も。ですが、お金は飾られたもの。たまに特別な存在としてしゃべって滑って、それは今しかできないこと。いろんな幸せ、いろんな葛藤、分かち合える幸せがある」

 ■孤独を感じたことは

 「これは『ある』って言った方が面白いのかな。前はすごい孤独だった。だれも分からないんだろうなって思ってた。祝福されるたびに自分の気持ちよりも、周りがあまりにも幸せになりすぎて、僕の幸せって何だろう?と思って。特別視されてるせいなのか『ありがとう』っていう言葉が本当の気持ちなのか、実は『この野郎』って思われてるのかなと。でも素直な気持ちでそう思われるならいい。(自分が)特別な存在だから世界に発信できるし、そう感じなくてはいけない使命がある」

 ■北京五輪へ

 「次の五輪に向けては未定というのが頭にあります。4回転半が跳べたら5回転、その延長線上に22年北京五輪があるなら。もし出られるなら絶対に立ちたい」

 ■出身の仙台でパレード

 「ぜひ、仙台でお金を落としてください(場内爆笑の渦)。パレードをするとたくさんの費用がかかると思うので。来ていただいて、ぜひ『杜(もり)の都』の良さを何かを買っていただいて分かってくだされば。仙台、宮城の復興に携われたら」

スポーツ

×